イケメン「教育YouTuber葉一」動画の凄い可能性 どうやる?対面とミックスした授業づくり
映像授業に慣れていないので「YouTuberのほうがわかりやすい」と言われることもあるかもしれませんが、リアルを知っている身近な学校の先生だからこその特権もあります。そういう意味では、普段のキャラクターとは違った先生が動画で見られると「見てみようかな」と思うかもしれない。例えば、いつもの先生のイメージとは異なる私服で授業をするのも意外といいかもしれません。
そして動画作りでは100点を目指さないこと。完璧を求めすぎると、3日ともちませんし、逆に“THE授業”になってしまってつまらなくなってしまいます。
――現在、学校では1人に1台端末を整備するGIGAスクール構想が急ピッチで進められていますが、学校のICT化についてはどのように評価されていますか。
学校が再開されてから、動画の授業は消えうせ、ほとんどの学校が対面授業に戻りました。コロナ禍でせっかく教育改革が盛り上がったのに、それがまた停滞しようとしている。確かに対面のよさはありますが、動画を副教材として使うなどミックスした授業があってもいいですよね。動画を使いたい、作りたいと思う先生が自由に動ける流れは今つくらねばと思っています。
あとICT化は、地方にこそメリットがあるはずです。地方は閉鎖的なところがありますから、それを開放させるのにも有効だと思います。地方と都市をつなげて授業をするのもいいですし、もっと地方からICT化の成功事例を発信してほしいですね。
――一方、葉一さんは、YouTubeを通じて日本の教育をもっと底上げしていきたいと話されていますね。
公教育である学校と、塾・通信教育に続く、3本目の柱をつくりたい。これまでの教育では支え切れなかった子どもたちに、無料で受けられる教育ツールという選択肢を浸透させていきたいですね。
さらに、学校の先生の社会的地位をもっと向上させていきたい。都会だけでなく、地方にもすばらしい先生はたくさんいらっしゃいます。僕の動画チャンネルを通じて、学校の先生が生き生きとした授業を発信してみたいなとも思っています。その結果として、子どもたちを幸せにしたい。それが僕のミッションだと思っています。

1985年生まれ。東京学芸大学卒業。教材販売会社の営業職、全国展開する学習塾の講師を経て、2012年からYouTubeチャンネル「とある男が授業をしてみた」を配信。小3から高3まで数学を中心としながら5教科に対応。経済的事情から望む教育が受けられない教育格差の解消を目指し、活動を続けている。公式サイト「19ch(塾チャンネル)」では小・中・高校生を対象にした2000本以上の動画をすべて無料で視聴できる
(写真提供:葉一さん)
制作:東洋経済education × ICT編集チーム
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