「米テスラ工場へ、電池セルは独占的に生産」 パナソニック専務がテスラとの関係を強調
[大阪 23日 ロイター] - パナソニック<6752.T>の伊藤好生専務は23日、ロイターなどの取材に対し、米電気自動車(EV)メーカー、テスラ・モーターズ
テスラは、計画する電池工場の立地の選定に入っており、設備投資負担は、パナソニック以外にも材料メーカーなどに呼び掛けている。
ただ、パナソニックとしては「ビジネスは独占的にしたい」(伊藤専務)と述べ、韓国サムスンSDI<006400.KS>など競合電池メーカーの参加は想定していないとの認識を示した。
一方で、同工場への投資決定の時期について伊藤専務は「(今の段階で)頭の中にない」と述べた。また、投資するにしても、2014年度の現金支出は小さいとの認識を示した。
米電池工場、テスラと週に2─3回協議
すでにパナソニックとテスラは、米国内の電池工場に関する趣意書を締結済み。両社でプロジェクトチームを発足し、週に2─3回の頻度で協議を重ねている。テスラのEVの生産計画・需要動向や、投資規模や投資比率、電池の製造コスト削減などが対象。
テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は、電池工場の建設計画を先行して発表している。これに対してパナソニックの伊藤専務は「一気に数十倍の電池の需要が出てくるとは考えていないので、投資するにしても、需要を確認しながら、少しずつステップ・バイ・ステップで投資するのが正しい」と述べた。
ただ、伊藤専務は「これだけの頻度で話し合いをしているので、(電池工場建設についての)両社の温度差はない」と述べた。
米国内の電池工場でのパナソニックとテスラの役割分担も今後の検討課題だが、「少なくとも電池セルの製造はパナソニックにしか技術はないので、当然、パナソニックが主導する」(伊藤専務)と述べた。
自動車用電池の今期投資は計画比倍増
また伊藤専務は同日、今期の自動車用電池の設備投資額が、計画している140億円から倍額の280億円以上になるとの見通しを示した。
テスラの電池工場への投資はこれに織り込んでいないが、2014―17年の供給契約に基づくテスラ向け円筒型リチウムイオン電池の工場を現在の2拠点から3拠点に拡充することに使う。さらに、ハイブリッド車(HV)の顧客のために加西工場(兵庫県加西市)で製造する角形リチウムイオン電池の増産や、インドに新設する鉛電池工場の投資にも充てる。
(村井令二 編集:内田慎一)
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