日本の金融システムは今の時代に合っていない--大塚耕平・内閣府副大臣(金融担当)

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--副大臣は政府と中央銀行のアコード(協調)が必要とのお考えです。一方、グリーンスパン前FRB(連邦準備制度理事会)議長が政治的要請に応え続けたために過剰流動性を生んだとの見方から、中央銀行の独立性を強調する人もいます。

中央銀行の独立性という古典的な議論が出てきた時代は、各国ごと、ないしは世界的にもマクロプルーデンスが維持できていた。しかし、今はかなり極限的な状況にあり、教条主義的に中央銀行の独立性を主張することは、金融システムや経済財政の現状に適合しない。

中央銀行という制度も組織も人為的につくられたものであり、どうつくるかによってパフォーマンスは違ってくる。たとえばFRBの根拠法には物価の安定のみならず、雇用の安定まで法目的に入っている。日本銀行の場合はまったく違う立て付けであり、目的は信用秩序の維持。理念として物価の安定がある。

中央銀行機能とは本来何なのかという「機能」に重点を置いた議論をすると見え方が変わってくる。その延長線上にある論点の一つが統合政府という概念であり、中央銀行も統合政府の機能の一部という視点だ。そういう洞察力を持たないと、出口戦略における適切な対応を追求できない。

--日本の金融システムが抱える問題点は何だとお考えですか。

民間金融機関、郵政、系統金融も含めた金融システム全体の現在の姿は、半世紀前に形づくられた。時間の経過とともに時代に合わなくなっており、大きな変革の時期に来ている。民間金融機関の中でもメガバンクとそれ以外の役割分担の問題もある。国際的に見て、日本のメガバンクや農林中央金庫がどういう姿、規模であるべきなのか、熟考すべきだ。独占禁止法との関係も頭を柔らかくして考え始めている。日本のメガバンクが世界的に見て、量だけでなく質も含めてメガバンクと呼べるかといえば、決してそうではない。

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