キリンvsサントリーのハイボール戦争!《それゆけ!カナモリさん》

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■シェリーで作ってもハイボール?

 キリンが2月10日に上市した「世界のハイボール」を、Webサイトで商品を確認してみる。

 アメリカ ケンタッキー州 ウイスキー 「樽熟成ウイスキーソーダ」・原材料:ウォッカ・ウイスキーとある。ウォッカがかなり気になるが、ケンタッキー州のウイスキーといえばバーボンだろう。バーボンのハイボール。これは、OK。

 スペイン アンダルシア地方 シェリー「樽熟シェリーソーダ」・原材料:ウォッカ・シェリー……ちょっと待った!シェリーは、熟成酒精強化ワインだ。ウイスキーとは違う。

 両商品を買って確認してみると、缶の印刷にウォッカとソーダでつくったクリアハイボールに、樽熟成したウイスキー(シェリー)を加えて仕上げましたとある。つまり、ウイスキーもシェリーも「フレーバー」に過ぎないという位置づけなのだ。

 キリンは次のように述べる。

 新ハイボールの提案:日本では、ハイボールとはウイスキーをソーダで割ったものという認識が一般的です。「キリン 世界のハイボール」は本来のハイボールの意味であるスピリッツ(蒸留酒)をソーダやトニックウォーター等の炭酸飲料等のアルコールの含まれていない飲料で割ったものをご提案いたします。

 えええぇぇぇ?と思い、Wikipediaを調べると、確かに、広義としてはスピリッツをソーダやトニックウォーターなどの炭酸飲料や、水、湯、フレッシュジュースなどアルコールの含まれていない飲料で割ったものを指す。日本ではウイスキーをソーダ水で割ったもの(ウイスキー・ソーダ)をこう呼ぶのが一般的、との記述がある。

■キリンが仕掛けた罠なのか?

 ハイボールがウイスキー以外でもOKだと困るのはサントリーだ。劇的大ヒットを遂げたハイボール。サントリーの缶入り「角瓶ハイボール」も売れている。飲み屋でもすっかり定着した。しかし、そのヒットもいつまでも続くわけではない。「次は何だろうねぇ?」と呑みの席でも噂されるようになっている。

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