稼ぎ時のハロウィーン、お菓子会社に募る苦慮 アメリカの恒例行事、コロナにどう対応するか
それが広告にはどう反映されるのか。ジョーンズさんのように休暇中も家に留まる人であれば、裏庭やリビングルームで、ゆらめく光のなかでキットカットやリーシーズ・ピーナッツバターカップを食べる人々の動画クリップをソーシャルメディアの広告で目にするだろう。
思い切って外に出ようという人が多い地域では、マスクをした子どもや大人たちが家々を回ってお菓子をねだる広告を見るかもしれない。
ハーシーの最高販売責任者フィル・スタンリー氏は、8月に行われたインタビューで「地理的にどういう状況になるかに基づいて、消費者に訴求する手法を毎週変えることができる」と語っている。
この動きは、残念な結果に終ったイースター商戦を踏まえ、米国の製菓企業がハロウィーンに向けてマーケティングやロジスティクス面で進めている多くの戦略変更の1つだ。
実店舗よりネット販売に期待
ハロウィーンは例年、製菓産業にとって売上高ベースでは最大のかき入れ時であり、クリスマス、イースター、バレンタインデーを中心とした時期を上回っている。ハーシーにとっても、年間約80億ドル(約9116億円)の売上高の1割を稼ぐのがハロウィーンの時期だ。
今年はオンライン販売の急増と「トリック・オア・トリート」参加の減少を予想して、ハーシー、モンデリーズ・インターナショナル、その他競合する製菓企業は、菓子の包装を縮小し、デジタルマーケティングへの支出を増やし、店舗のハロウィーン装飾を早めに開始し、実店舗の売上高減少を相殺しようとする小売企業向けに、ネットショップ用に確保しておく在庫を積み増しした。
ハーシーでは、ハロウィーン関連の売上高の約半分は「トリック・オア・トリート」頼みだという。同社はロイターの取材に対し、今年は昨年に比べ、主としてオンラインでの購入者をターゲットとして、ハロウィーン関連のデジタルメディア支出を160%増加する計画だと話した。また、グミキャンディ「サワー・パッチ・キッズ」を製造するモンデリーズでも、今年のハロウィーンではソーシャルメディア、デジタルメディアへの投資を増やす計画だと話している。