稼ぎ時のハロウィーン、お菓子会社に募る苦慮 アメリカの恒例行事、コロナにどう対応するか
[シカゴ 8日 ロイター] - 米ケンタッキー州南部に住むマーサ・ジョーンズさんは、新型コロナウイルスを心配し、今年のハロウィーンでは3人の子どもに「トリック・オア・トリート」をやらせないことに決めた。代わりに彼女は、自宅のテラスを改造して小さなお化け屋敷を作り、ゲームを用意し、裏庭ではバーベキューとたき火を楽しむことにした。
「トリック・オア・トリート」とは、子どもたちがこの言葉を叫びながら、家々を回ってお菓子をねだるというハロウィーンの習慣だ。
ショコラティエである31歳のジョーンズさんは、「家々を回ってお菓子をねだらなくても、子どもたちにとっては、これが胸躍る体験になるだろう」と新しいハロウィーンの趣向に期待する。
数百マイル離れたニューヨーク市ブルックリン区では、43歳のミュージシャン、ポール・リーさんが今、2人の子どもが安全に「トリック・オア・トリート」に行けるようにするにはどうすればいいのか、思案に暮れている最中だ。
顧客のニーズに合わせたカスタム広告
10月31日のハロウィーンに向けた数週間、ジョーンズさんとリーさんは、製菓大手のハーシーが提供する新しいタイプの広告をソーシャルメディアやウェブサイト上で目にするようになるだろう。その広告は、顧客が住んでいる場所、そこでロックダウン(都市封鎖)が実施されている可能性、さらには顧客がハロウィーン関連でどのような活動を検索するかによって、PRする内容が大きく異なってくる。
ハーシーの幹部がロイターに語ったところでは、これはアルファベット傘下のグーグルとの提携による新たなマーケティング戦略の一環なのだ。
ハーシーは、グーグルが提供する検索データを用いて、家庭向けのデジタル広告を利用者のニーズに応じてカスタマイズする予定だ。今年のハロウィーンには例年とは異なる新たな困難がある。それを克服しようという試みだ。
ペンシルバニア州に本社を置くハーシーは、先月、利用者がハロウィーンで外出する可能性がどれほどあるか、検索内容に基づいて判断するデータの提供を受ける契約をグーグルと締結した。たとえば、近所の店の営業時間を調べたり、休暇を過ごすアイデアを検索する人は、外出する可能性が高いと見られる。