菅首相誕生で政権とメディアの関係はどうなる 日本のジャーナリズムに及ぶ影響とは
メディアへの対応を尋ねた質問に対して…
「安倍政権では説明責任のあり方が常に問われてきた。総理になった場合の記者会見はどう行うか。総理会見を週1回に定例化したり、ぶら下がり(取材)を行ったりするなど、総理としての説明責任どう果たすのか。安倍政権の国会対応では、野党の求める出席に必ずしも対応していなかった。国会出席への要求にどう対応するのか」
9月8日の総裁選共同記者会見で朝日新聞記者が質問した。菅氏はこう答えた。
「世界と比べて圧倒的に日本の総理は、国会に出席する時間が多いが、大事な所で限定して行われるべきだ。行政の責任者としての責任を果たせない」「G7の中で閣僚が記者会見しているのは1カ国、週1回30分くらい。日本は官房長官が朝夕、2回会見、責任をもって説明している」
メディアへの対応を尋ねた質問だったが、菅氏はほぼゼロ回答だった。コロナ禍を理由に1日10分前後で終えている現在の官房長官会見すら「十分すぎる」という。総理の日々のぶら下がり含めて必要ないだろう、と言いたいかのような回答に、失望した記者も多かったことだろう。石破氏の「大臣の時、手が下がるまで質問を受けていた。できるだけ多くのメディアの質問に答えたい」、岸田氏の「できるだけ多くの質問に答える姿勢を示す必要ある」と前向きな回答をしたのとは対照的だった。
私は9日6日の討論会で3候補者の論戦を見るつもりだったが、台風対応のため菅氏の参加は中止になった。ここで思い出したのが、15府県で224人もの死者を出した2018年7月の西日本豪雨のさなか、東京・赤坂の議員宿舎で開かれた自民党議員の宴会「赤坂自民亭」だ。岸田氏や安倍首相が宴会に出席。また、日本テレビの「news every.」は、豪雨災害が続く6日夜、菅氏が手配した車に乗った無派閥議員らが次々と官邸入りし、安倍首相と総裁選に向けて会合をしていたことをスクープした。菅氏の行動は危機管理担当大臣として適切だったのか。私は、官房長官会見で菅氏に質問した。
「長官は先手先手で(豪雨災害に)臨むと言っていますが、災害対策本部ができていない状況で、なぜこのような会合したのか、どういう議員を何分くらい呼んで、どんな会合だったのか」「危機管理担当大臣の官房長官として6日夜の行動は問題だったのでは」
菅氏は嫌そうな表情で突き放すように答えた。「そうしたことにお答えする必要はない。ただ、防災対策はしっかりやっていました。このことは明言をいたしております」「(問題かどうか)お答えする必要はない」
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