DVDバブルが崩壊、頭を抱える映像ソフト業界--音楽・映像ソフト業界が陥る負のスパイラル

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小



深夜アニメ制作減少の打撃

日本を代表するコンテンツであるアニメ産業も、DVDの苦戦に頭を抱えている。特に厳しいのが、深夜に放送される一般向けアニメのDVD作品。

アニメ放映の5割超(制作時間ベース)は深夜帯が占めている。「不況で財布のひもは固い。2~3年前は萌え系、ロボット系ならどんな作品でも売れていたが、今はお客さんが作品を選別するようになった」(アニメ制作会社幹部)。動画投稿サイトなどを使った違法配信の問題もあり、事業環境は悪化する一方だ。

実は、深夜アニメは収益の大半をDVDに依存している。ビデオ会社はテレビ局におカネを払って作品を放送。知名度や人気を高めたうえでDVDを販売し、投資を回収する仕組みだ。つまりDVDが売れないと、大きな損失を被ることになる。

加えて厄介なのは「作品制作そのものが難しくなる」(同)こと。

アニメの制作費は1話30分で1000万~1300万円といわれ、放送枠の購入費用も上乗せになる。そこで、リスク分散すべく「制作委員会」方式が使われる。出版社や制作会社、映像ソフト販売会社、玩具メーカーなど広く出資者を募って制作費に充て、出資比率に応じて収益を分配する方式だ。

だが、深夜アニメはことのほかニッチな市場。収益が期待しづらいとなれば、たとえヒットの可能性がある作品でも、出資者が集まらない。

「持ち込まれる企画の数が数年前の半分近くに減った」と、あるテレビ局の幹部は渋い顔で話す。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事