東急、北海道に「青い豪華列車」投入で何目指す?

伊豆を走る「ロイヤルエクスプレス」北の大地へ

ザ・ロイヤルエクスプレスが横浜―伊豆急下田間で運行を開始したのは2017年7月。伊豆の観光活性化に向け、東急グループの伊豆急行が保有する観光列車「アルファ・リゾート21」を改造して登場した。

光沢のあるロイヤルブルーに金の装飾をあしらった外観、木材をふんだんに生かしたインテリアは、JR九州の豪華列車「ななつ星 in 九州」などで知られるデザイナーの水戸岡鋭治氏が手がけた。8両編成で定員100人という規模は、国内の観光列車でも最大級という。

北海道の観光活性化のため、伊豆を走る豪華列車に白羽の矢が立ったのは、2018年9月の北海道胆振東部地震がきっかけだった。「地震で北海道の観光が打撃を受ける中、JR北海道から観光を盛り上げるためにぜひ協力をお願いしたいと話があった。ザ・ロイヤルエクスプレスのサービスに共感して声をかけていただいた」と東急の担当者は振り返る。

ザ・ロイヤルエクスプレスは、伊豆方面への列車が増発される夏期はダイヤの余裕が少ないため運行していない。東急にとっては、同時期にほかの地域で運行することで列車の有効活用につながる。

JR北海道は2019年2月、地震後の観光振興に向けて東急、JR東日本、JR貨物と協力して観光列車を走らせるプロジェクトを発表。第1弾として同年夏、JR東日本の観光列車「びゅうコースター風っこ」を借り受けて宗谷本線で運行した。そして第2弾となるのが、今回のザ・ロイヤルエクスプレスによるクルーズ列車だ。

非電化路線をどう走らせる?

普段は伊豆を走っているザ・ロイヤルエクスプレスを北海道で運行するにあたって大きな課題となったのが、そのままではJR北海道の線路上を走れないという点だ。ザ・ロイヤルエクスプレスは電車だが、JR北海道の路線の多くは非電化のため電車は走れず、車内の照明や空調などの電力供給を受けることもできない。

北海道での運行のために導入した電源車(記者撮影)
電源車(マニ50 2186)はJR東日本から譲り受けた=2019年7月(記者撮影)

このため、今回の運行ではJR北海道が保有するディーゼル機関車2両が列車を牽引。車内への電力供給は、発電機を搭載した「電源車」を連結して賄うことにした。

電源車は元JR東日本の車両で、かつて同社のリゾート列車「リゾートエクスプレスゆう」に使用していた車両を東急電鉄が譲り受けた。同社は電源車を保有していなかったため、「プロジェクトで連携するJR北海道やJR東日本に相談したところ、こういう車があるとの提案を受けて譲り受けることになった」(東急の担当者)という。

機関車と電源車は、ザ・ロイヤルエクスプレスに合わせて「水戸岡デザイン」に改装。機関車は「北海道の力強く明るく元気な太陽の色・収穫の色」というオレンジ1色に。電源車はブルーとオレンジをつなぐ色として白を基調とし、金色のロゴなどを加えた。

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