東急、北海道に「青い豪華列車」投入で何目指す? 伊豆を走る「ロイヤルエクスプレス」北の大地へ
伊豆半島を走るロイヤルブルーの豪華列車が、いよいよ北海道の大地を駆け巡る――。
東急とJR北海道は8月28日から、北海道内で東急の豪華観光列車「ザ・ロイヤルエクスプレス」を使ったクルーズ列車の運行を開始する。札幌を起点に3泊4日の行程で道東エリアを周遊。9月15日出発回まで計3回のツアーを実施する。
ザ・ロイヤルエクスプレスは、東急が横浜―伊豆急下田(静岡県下田市)間で運行する豪華観光列車。大手私鉄の観光列車が北海道を走るのは過去にない試みで、JR北海道の経営難が続く中、道内の鉄道や観光の活性化を狙う。
コロナ禍により運行回数は当初予定の5回から3回に減らしたものの、感染対策を万全にすることで実現にこぎつけた。伊豆半島の活性化に向けて登場した列車が、今度は北海道の観光振興へ期待を乗せて走り出す。
コースは1人68万円から
ザ・ロイヤルエクスプレスによる北海道クルーズ列車は、札幌を起点に十勝、知床、富良野の各エリアを周遊し、札幌に戻る3泊4日のコース。列車のほか、伊豆から持ち込んだ専用バスも使って景勝地を巡り、宿泊は各地の高級ホテルを利用する。
車内では、コースで立ち寄る各地域の料理人が地元の産物を使った特別メニューの昼食を提供。また、伊豆半島の運行でも車内で演奏するヴァイオリニストの大迫淳英氏が、今回の北海道クルーズ列車のために制作したオリジナルテーマ曲を披露して旅に彩りを添える。車内サービスなどは伊豆で乗務しているクルーが担う。
参加人数は1回のコースにつき30人。代金は2人1室の場合で1人当たり68万円からという高額なツアーだが、1200人を超す応募があり、抽選の倍率は8.2倍に達したという。
当初は8月14日に第1回の運行を始める予定だったが、コロナ感染対策などの準備のために1回目・2回目の運行を中止。一方で、多くの申し込みがあったことから2021年夏も運行することを決めた。今年中止した分は来年に振り替え、計7回運行する予定だ。
今回のクルーズ列車運行にあたっては、東急が旅行商品の造成や販売、車内のサービスなどを担当し、JR北海道が列車の運行を担う。収入の分配などについては非公表だ。
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