「大事故のアイドル」に家族がかけた意外な言葉 病室にかけつけて…「絶望」から救った言葉の力
家族の顔が見られたのは、午後になってからでした。ICU(集中治療室)病棟に入院していたので、面会の時間が決まっていて1回目は父、母、兄が来てくれました。
父は泣いていました……。初めて父の泣き顔を見た気がします。
大阪での収録は、メンバーの楠木まゆちゃんが急きょ行ってくれたと聞いて一安心。事務所のスタッフさんもメンバーも、私の事故のことを聞いて、とても心配してくれていると知りました。
面会は3人までしか入れないということで、2回目は兄と交代して、姉、父、母が来てくれました。
姉の一言「山Pみたいなドクターいた?(笑)」
「山Pみたいなドクターいた?(笑)」姉にはこう聞かれました。
当時、人気ドラマ『コード・ブルー 2』のサードシーズンが放映されたあとで、とても注目されていた頃でした。ほかにもライオンズの話など雑談をしました。
姉も、私の状態のことは知っていたはずでしたが、あえて明るく、普段どおりの接し方をしてくれたのだと思います。
ちなみに一応、看護師さんに「山P似の先生とか、いませんか?」と聞いてみたのですが、「いませんね……」と即答されてしまいました(笑)。
でも私は、姉の言葉に思わず笑ってしまい、それだけで重苦しい気分が少し変わりました。「笑いの効用」ってすごいですよね。
私の「メンタル」は決して強くありません。でもメンタルが弱いからこそ、つらいことがあったら、それを逆に笑い話にしたいタイプなんです。
だってつらいことがあったときに「つらい」「悲しい」と言っていたら、ますます落ち込みそうだから……。
「『(笑)』を忘れないことで、その事柄から、ちょっと離れて、客観的に見ることができ、感情におぼれないでいられる」
そう思いながら、つらいことがあっても明るくすることを心がけていました。
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