世界最速「走る美術館」、現美新幹線なぜ引退?

現代アートも車両の老朽化には勝てなかった

12月で運行終了する「現美新幹線」(写真:yama1221/PIXTA)

世界最速の「走る美術館」が“閉館”する――。7月27日、JR東日本は「現美新幹線」を12月19日に運行終了すると発表した。

現美新幹線とは上越新幹線を走る観光列車であり、その名のとおり「現代美術」を列車内で観賞できる「世界最速の芸術鑑賞」が売りの新幹線である。

車内に現代アートを展示

現美新幹線は2016年4月29日に運行開始された。上越新幹線越後湯沢―新潟駅間にて、土休日を中心に1日3往復運行される。新型コロナウイルスの影響で運休していたが、8月1日から運行再開した。運行スケジュールは以下のとおりだ。

■下り(すべて各駅に停車)
とき451号 越後湯沢8:24発→新潟9:14着
とき453号 越後湯沢12:44発→新潟13:38着
とき455号 越後湯沢15:20発→新潟16:14着
■上り(すべて各駅に停車)
とき452号 新潟11:26発→越後湯沢12:20着
とき454号 新潟14:02発→越後湯沢14:56着
とき456号 新潟16:42発→越後湯沢17:32着

当初は旅行商品と結び付けられての販売が多かったが、現在では普通車指定席が1両(元グリーン車の座席なので、グレードが高い)、普通車自由席が5両なので、普段通り切符を買って移動のかたわら芸術鑑賞も楽しめる。気軽に乗車できるのが魅力の列車でもある。

外観デザインは映画監督で写真家の蜷川実花氏が手がけたものだ。黒を基調とした車体に長岡市の花火が全面を彩る、斬新でインパクトがある外観である。

秋田新幹線を走っていたE3系新幹線6両編成を改装した列車であり、車内に現代アートを展示している。当初は7組のアーティスト(松本尚氏、小牟田悠介氏、古武家賢太郎氏、パラモデル氏、石川直樹氏、荒神明香氏、ブライアン・アルフレッド氏)による、内装のリファインや芸術作品の展示が行われた。

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