7月20日、中国各地の映画館が約4カ月ぶりに営業を再開した。しかし再開初日に全国で販売された映画のチケットは約13万枚、上映1回当たりの平均観客数はわずか13人だった。
映画チケットのオンライン予約サービスなどを手がける猫眼電影のデータによれば、再開初日の上映回数は午後7時までの時点で9757回、興行収入は328万5000元(約5026万円)にとどまった。昨年7月の興行収入が1日平均1億8600万元(約28億円)だったことを考えると、映画ビジネスの復活にはまだ長い時間がかかりそうだ。
猫眼電影によれば、初日の興行収入でトップに立ったのは初公開作品の『第一次的離別』(初めての別れ)の120万7300元(約1847万円)だった。中国の映画製作会社の作品で、新疆ウイグル自治区の農村を舞台に子どもたちの成長を描いた物語だ。興行収入2位は再上映のサスペンス作品『誤殺』の54万800元(約827万円)、同3位はやはり再上映のアニメ作品『リメンバー・ミー』の29万4700元(約451万円)だった。
防疫対策徹底で入場客数は定員の30%まで
映画館の営業再開に先立つ7月16日、国家電影局(訳注:映画業界を所管する行政機関)は通達を出し、政府が定める新型コロナウイルスの流行リスクが低い地区の映画館を対象に7月20日からの営業再開を認めた。一方、流行リスクが中度と高度の地区では再開を当面認めないとした。
営業再開する映画館には防疫対策の徹底が求められる。国家電影局の通達によれば、映画のチケットはすべてネット上で実名予約を受け付けたうえで「無接触方式」で販売しなければならない。座席は1席おきに空席を設け、観客間の距離を1メートル以上空けなければならず、入場客数は定員の30%を超えてはならない。また、1日に上映できる作品の本数は通常の半分までで、1本当たりの上映時間は2時間以内に制限された。
こうした厳しい条件が前提ではあるものの、一部の映画館ではチケットが好調な売れ行きを見せている。財新記者がアリババ系の映画チケット予約サービスで確認したところ、四川省成都市のあるシネマコンプレックスでは7月20日の営業再開初日に『第一次的離別』の上映を9回予定し、前日の午後1時の時点ですでに3回分が満席、残りの回も「残席わずか」になっていた。
また、7月25日に開幕する第23回上海国際映画祭のチケットのオンライン販売が7月20日午前に始まり、最初の5分間だけで売り出し枚数の75%に当たる9万8000枚が売り切れた。
(財新記者:関聡)
※原文の配信は7月20日
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