コロナ後に勝ち続ける人を形作る決定的な要素 オンラインが当たり前の環境に対応できるか

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出口:昔の名君を見ていると、だいたい在位20年くらいまでなら、なんとか仕事をするのですが、それでも20年の治世の後半になると、どうしてもダレてくる。王侯は終身制ですから、何十年も王様だったルイ14世のような人もいるわけです。ルイ14世は、あまりにも長く君臨したので、子どもも孫もみんな死んでしまって、曾孫に王位を継承しています。

つまりどんな名君でも、20年はもたないんです。昔は情報も少ないし、事務処理のスピードや世の中の変化もゆっくりだったので、20年くらいはなんとか全力で走れたかもしれない。でも、いまの世の中では、1つの仕事に目一杯頑張れるのは10年くらいかなと。そういう漠とした感覚はありました。

尾原:歴史の中から、これくらいがちょうどいいという相場観が学べるという話ですよね。ネットビジネスが登場して、ちょうど四半世紀くらい。人が10年でひと区切りだとすると、出口さんの目で見て、インターネットの四半世紀というのはどうでしたか? 50年後、100年後の未来から振り返ってみたときに、何が残るのか。ないしは、ここは押さえておかないといけない、ということがあれば教えていただきたいのですが。

ニューノーマルはやってこない?

出口:むずかしい質問ですが、いま大学で議論しているのは、コロナが終息したあとにどうなるのかということです。コロナによって、学生をキャンパスに集めることができないので、今はほとんどの大学、高校なども含めて、オンライン授業をやっています。Zoomというすばらしいツールのおかげです。Zoomってホントに進化が速いですね。

尾原:一時期、毎週どころか毎日のようにアップデートしていました。

出口:Zoomのおかげで、オンライン授業がスムーズにできているのですが、コロナが終わったら、どうなるか。よくあるのは、これからはニューノーマルで、みんながマスクをして、手洗いをして、ソーシャルディスタンスを守った生活になるという話ですが、僕はまったく違うと思っています。ワクチンや薬ができたら、コロナはインフルエンザになるので、マスクもソーシャルディスタンスも手洗いも、いらないと思うのです。そしてワクチンは意外に早くできるのではないかと。

尾原:ビル・ゲイツも最短で9カ月でできると言っていました。

出口:理由は簡単で、もし尾原さんが免疫学者だったら、徹夜で頑張るでしょう。

尾原:ここで頑張ったらヒーローですもん。

出口:歴史に名前が残って、たぶんノーベル賞ももらえて、そのうえめちゃ儲かる。

尾原:それにめちゃモテるし(笑)。

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