コロナ後に勝ち続ける人を形作る決定的な要素

オンラインが当たり前の環境に対応できるか

尾原:日本の場合はどうしてもワンマン経営で最後までいきたいという人が多いですが、アメリカでは分業体制ができていて、グーグルも初期の頃にエリック・シュミットというプロの経営者に入ってもらっています。

出口:グーグルがいちばんいい例で、あの2人は創業の人です。

尾原:ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリン。

創業と守成は能力や仕組みが違うビジネス

出口:グーグルはオーバーにいえばエリック・シュミットをいわばマーケットから買ってきたわけです。創業と守成は違うビジネスだということがわかっていたからです。もちろん同じ人で、両方できる人もいるかもしれませんが、創業と守成は能力や仕組みが違うビジネスですよね。

尾原:勝つという波に乗る部分と、勝ち続けるという仕組み化の部分、どちらもネットビジネスの歴史の中で学べるものがあります。個人的にすごくお聞きしたいのが、出口さんはライフネット生命を禅譲されたじゃないですか。それって、創業と守成を分けるという話なんですか?

出口治明(でぐち・はるあき)/1948年、三重県に生まれる。京都大学法学部卒。1972年、日本生命保険相互会社入社。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て2006年に退社。同年、ネットライフ企画株式会社を設立、2008年にライフネット生命保険株式会社と社名を変更し、社長に就任する。12年上場。社長、会長を10年務める。2018年、立命館アジア太平洋大学(APU)学長に就任。

出口:ライフネット生命をちょうど10年経営してきて、僕が古希(70歳)になったとき、ふっと考えてみたら、ちょうどトップライン(売上高)が100億円を超え、営業キャッシュフローが40億円を超えていたのです。トップラインはたいしたことがないんですが、生命保険業は先にお金をもらってあとで払うビジネスですから、営業キャッシュフローがたまる。企業会計的に見たら会社の儲けではないのですが、企業会計を離れて企業を生き物だとすれば、営業キャッシュフローさえ潤沢なら、生きていけるんですよね。

ちょうどそのときに、いまの社長の森亮介くん、当時はまだ33歳だったのですが、彼がとてもよく働くので、彼に役員をやってもらったほうが会社のためになるだろうなと思って辞めました。これもたまたまですよね。10年経ったとか、古希になったとか、営業キャッシュフローが40億円を超えたとか、そういう偶然が重なってバトンタッチしようと思ったわけですから。そのときにたまたまAPUが学長を国際公募していて、誰かが推挙してくれたので、いまの自分があるというわけです。すべて偶然の賜物です。

尾原:節目に振り返って、次のフェーズに行こうというときに、何をするかも、ある程度再現性のある行為として、歴史から学べる話です。

キャリア・教育の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • コロナ後を生き抜く
  • 今見るべきネット配信番組
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • 森口将之の自動車デザイン考
トレンドライブラリーAD
人気の動画
ついに上場廃止、大塚家具の末路
ついに上場廃止、大塚家具の末路
日本初、「工場を持たない」EVメーカー誕生の衝撃
日本初、「工場を持たない」EVメーカー誕生の衝撃
日本人に多い「腸を汚すフルーツの食べ方」4大NG
日本人に多い「腸を汚すフルーツの食べ方」4大NG
男性も入れる?新業態『ワークマン女子』の中身
男性も入れる?新業態『ワークマン女子』の中身
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
2050年の中国<br>世界の覇者か、落日の老大国か

米国と並ぶ超大国を目指す中国。しかし中国の少子高齢化はこれまでの想定を超える速さで進行しています。日本は激変する超大国とどう付き合うべきか。エマニュエル・トッド、ジャック・アタリ、大前研一ら世界の賢人10人が中国の将来を大胆予測。

東洋経済education×ICT