新型コロナ第2波でも上昇しそうな会社とは? 『会社四季報』から見た2020年度最新予想
一方、増益(黒字転換含む)を予想する業界は、医薬、情報通信、証券、石油・石炭製品ですが、このうち例えば情報通信では、前期はソフトバンクグループの巨額の投資損失があったことなどが影響していますので、実質的に増益と言えるのは医薬業界くらいと言えそうです。
「第2波に強そうな企業」とは?
しかし、個別では、業績が良好な企業も少なくありません。例えば、テレワーク関連企業です。パソコン関連機器のファブレス(工場を持たない)メーカーであるエレコム(6750)は、その代表格で、ビデオ会議用のヘッドセットなどもよく売れています。
また、仮想デスクトップのソリューションやソフト・端末販売、保守・コンサルなどを軸とするアセンテック(3565)も好調です。同社は、中小企業向けにこうしたテレワーク環境を半日で構築することを得意としています。事業規模は小さいものの、成長企業の1つです。
さらにインターネットインフラなどを幅広く展開しているGMOインターネット(9449)も、EC(電子商取引)やテレワーク市場が拡大することで、ネット決済・接続、セキュリティー関連の売り上げが伸びています。
――新型コロナウイルスで事業環境が激変するなか、キャッシュリッチな企業への注目が集まっていますね。
山本:今回、四季報では全企業を対象に、「ネットキャッシュ」「手元流動性比率」を調査しています。前者は保有する現金から有利子負債などを引いたもので、後者は手元資金が月商の何カ月分あるかを見るものですが、新型コロナウイルスの第2波の可能性のあるなか、いずれも今後予想される厳しい環境にどの程度耐えられるか、あるいは逆に設備投資など攻めに打って出られる可能性があるかなどを測る指標として参考になると思います。
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