スラップ訴訟をどう抑止していくか 「反社会的な行為」という認識を広めることが重要


 スラップ訴訟を提訴するのは企業の場合が多いが、現在、企業、特に上場企業や有名企業は「反社会的」という批判に対して非常に敏感だ。スラップ訴訟の反社会性を訴えるとともに、スラップ性の疑いのある訴訟が起こされたときには、メディアがこれまで以上に詳しく報道、批判していくことが肝要だ。そうなれば、世間の評判を気にする企業はスラップ訴訟を起こしにくくなる。

また、提訴した訴訟がスラップと認定されれば、原告となった企業は社会から指弾されることになる。これには、多くのメディアの力が欠かせない。

最近、日本でもネットなどのメディアを中心に、以前よりはこの問題に関する発言数が少しずつ増えてきた。社会的にスラップ訴訟の危険性がもっと認知されれば、その効果は無視できないものとなる。

しかし、最終的にはわが国でも法による抑止が必要だ。

この法律は、スラップ訴訟を公共の利益を損なう「反社会的な行為」として位置づけるとともに、「恫喝の道具」としての実効性を奪うものでなければならない。

また、スラップ訴訟を起こした者に対しては、被告側(スラップの被害者)が被ったさまざまなコスト(弁護士費用、通信・交通費、時間的損失、精神的苦痛など)を賠償する責任を法的に負わせるべきである。

(シニアライター:福永宏 =週刊東洋経済)

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