部下の「弱み」を素直に改善させる意外な方法 叱責や不機嫌な態度は攻撃性を高め逆効果に

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実は、驚いたことにどのタイプを送り込んでも、ほとんどの組織が、全体の約40%生産性を落としました。

5人の組織で1人がまったく仕事をしなかったとしても、生産性は5分の1、つまり20%ほどしか落ちません。10人の組織なら10%ほどでしょう。
ところが、「腐ったリンゴ」が1人いるだけで、組織の生産性が約60%に低下してしまう。

これはいったい、どういうことなのでしょうか。

腐ったリンゴを無効化する人物とは

腐ったリンゴの実験は、私たちにさまざまな示唆を与えてくれます。

会議で反抗的な態度を取る、少し手を抜く、愚痴を言うといった行動は、日頃多くの人が何気なくやっていることではないでしょうか。

あなたの部下も、今まさに、あなたの目の前でブスッとしたり、手を抜いたり、不満を漏らしたりしているかもしれません。

そういう人物が組織に1人いるだけで、組織全体の生産性が40%落ちるとしたら、驚くべき事実です。

腐ったリンゴの実験を行った際、実験の企画者は、腐ったリンゴ役のスタッフが、上司に叱られたり、態度を咎(とが)められたりするのではないかと想定していたらしいのですが、実際にはそういった叱責や改善を促すアクションはほとんど見られなかったそうです。

それどころか、逆に腐ったリンゴが増えたらしいのです。これがこの実験の恐ろしいところです。

・会議で反抗的な態度を取っていると、会議が終わるころには、同じような態度を取る人が2、3人増える
・怠ける人がいると、周囲も一緒に怠け出す
・不満や愚痴を言う人がいると、周囲も同じように誰かのせいにして不平不満をまき散らす人になる

つまり、腐ったリンゴ1人が生産性を落としているのではなく、同調する腐ったリンゴが増えて、結果的に組織全体の生産性を落としてしまうのです。

何気ない言動が、組織の生産性に大打撃を与えるというのは、大変恐ろしいことです。

この実験には、続きがあります。

ここが最も興味深い点なのですが、「腐ったリンゴ」を「無効化」する人物が発見されたのです。

腐ったリンゴを送り込んでも、あるタイプの人物がいると、生産性がまったく落ちないといいます。それは、どんなタイプの人物なのでしょうか。

態度を指摘し、怒り、改めさせるような人でしょうか? それとも、同調して飲みに行ったりして仲よくなろうとするタイプでしょうか?

それは、意外なタイプの人物でした。

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