つんく♂「僕が絵本作りに込めた母と子の絆」

敏腕プロデューサー・3児の父が語る子育て

モーニング娘。の生みの親である彼が見せた「父の顔」と新境地に迫る(撮影:大江 麻貴)
1992年にロックバンド・シャ乱Qのボーカルとしてデビューし、音楽プロデューサーとして数々のヒット曲を生み出してきたつんく♂さん(51歳)が、自身が手掛ける初の絵本『ねぇ、ママ? 僕のお願い』(双葉社)を6月19日に上梓した。
ゴールデンウイークの発売に向けて昨年から準備を進めていたが、新型コロナウイルス感染拡大により発売が延期に。
「たとえ、ひとときであっても、笑顔とキュンが世界中に響き渡れば」
(2020年5月6日つんく♂オフィシャルブログより)
そんな想いで発売前には“絵本動画”としてYouTubeでの無料公開に踏み切って話題にもなった。
これまでも「歌詞」を通して高い共感を得てきたつんく♂さんの心温まるポエムは、自粛中の子育て世代に笑顔と癒しを与えてくれた。3児の父親としての子育て論、音楽と絵本制作の共通点、音楽ビジネスに迫るデジタル化の影響、「withコロナ」の新しい社会などについてその思いを語ってもらった(つんく♂さんは2015年に喉頭がんによって声帯を失っているため、取材はZoomを使った筆談やメールなどを主体に実施した)。

子どもの話をスルーしちゃってた母親がハッとする

今回、初めてとなる「絵本作り」にチャレンジしました。『ねぇ、ママ? 僕のお願い』は母の日を題材として、ただただ「ママの喜ぶ顔が見たい」という男の子とそのお母さんの絆を主題にしています。

子どもの純粋な想いを、親はつい“ないがしろ”にしてしまいがちです。子どもが小さかった頃は、一挙一動可愛くて愛おしかったのに、おむつを交換し、食事を与え、寝かしつけをする――。そんな毎日を繰り返していくうちに、どこかで「はあ・・・」とため息をつくようになってしまう。子どもが納得する毎日より、段取りよく親都合で日々が進むことを望むようになってしまうのかもしれません。

取材はZoomで実施(写真:つんく♂さん提供)

僕には、12歳の男女の双子と9歳の次女がいます。『ねぇ、ママ? 僕のお願い』では、忙しさにかまけて子どもの話をスルーしちゃってる母親に対して、実は子どもが自分のために考えてくれていたというピュアな思いにハッとさせられる場面を描きました。

これは自分の妻と長男の実体験がヒントになっています。唐突に「買い物に行きたい」と言い出した長男の要望に対して、妻が「また始まった、遊びに行きたいだけだろう。欲しいものでもできたんだろう」という感覚で「はいはい」という感じだったのが、実は長男は母の日のプレゼントをひそかに買おうとしていたけど、言い出せなかったことを双子の長女から知らされてワナワナとなったそうです。

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