河井前法相夫妻、「逮捕でガス抜き」の皮算用 野党の追及は尻すぼみ、焦点は解散と人事へ

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国会閉幕翌日の河井夫妻逮捕は、「すでに政治的には織り込み済み」(自民幹部)との見方も多く、安倍首相は16日、「国会議員は与党であろうと野党であろうと疑惑には説明責任を果たすべきだ」と持論を述べるにとどめた。

菅義偉官房長官も同日の記者会見で「2人とも政治家として今後も可能な限り説明を尽くしていくと思っている」と他人事のように語った。

地元では後継者探しが本格化

捜査対象ともなりかねない自民党は、二階俊博幹事長が同日、「影響を及ぼすほどの大物議員でもなければ、そんなに大騒ぎするような立場の人の行動でもない」と言い放った。

併せて、党本部からの1億5000万円についても、「党内の基準と手続きを踏んで支給した。広報誌の配布費用に充てたと報告を受けている」と支出の正当性を主張。買収疑惑は当事者の問題で、党本部の関与はないと予防線を張った。

夫妻の逮捕について、自民党内では「河井夫妻はもう一巻の終わり。離党だけでなく、次の選挙への悪影響を避けるためにも、さっさと議員辞職させるべきだ」(若手)と突き放す声が多い。すでに、地元広島では夫妻の後継者探しも本格化しており、地元は「早く厄介払いしたい」(自民広島県連幹部)のが本音だ。

こうした反応の裏には、したたかな政治的思惑も垣間見える。「今回の河井夫妻逮捕で、官邸と検察の癒着という疑惑は払しょくできる」(自民幹部)との読みだ。黒川弘務前東京高検検事長を1月に定年延長させたことによる検察人事への恣意的な介入への疑問には、「今回、検察が政権に切り込んだことが反証になる」(司法関係者)ともいえる。「河井夫妻の個人的問題に矮小化することで政権への打撃を最小限に抑える」(自民幹部)との狙いも透けて見える。

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