小池都知事、したたか「再選戦略」のもやもや感 卒業証明書公開でも、晴れぬ学歴詐称疑惑

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12日は毎週定例会見が予定される金曜日だった。午後2時からの会見では「ステップ3にたどり着けたのは都民の皆様のご協力があったから」と繰り返し、「ウィズ・コロナの新たなステージに立っている」など、いつものようにカタカナ英語を乱発し、記者団を煙に巻いた。

出馬表明会見は同日午後6時から始まり、小池氏は首に前回の都知事選を想起させる緑が目立つスカーフを巻き、4年前に掲げた「東京大改革」のさらなるバージョンアップを目指すと胸を張った。

合わせて「前回の崖から飛び降りる覚悟と同じ気持ち」と原点復帰をアピール。就任時の公約だった待機児童数の減少や無電柱化の推進などの実績を数字入りグラフなどを使って誇らしげに説明したうえで、2期目の公約として「稼ぐ東京の実現」などを打ち出した。

街頭演説避け、オンラインで選挙戦

選挙活動については、「現職知事なので公務最優先」と強調。3密の恐れがある街頭演説などを避け、「オンラインのポストコロナ選挙」を展開する考えを示した。都知事選は「究極のイメージ選挙」とされ、前回は街頭演説に詰めかけた聴衆が緑に染まる「百合子劇場」で圧勝したが、「今回は対立候補がコロナで手足を縛られると読んで、公務を最大の選挙活動にする」(周辺)。

出馬会見は側近の女性都議が司会役となり、冒頭約15分は小池氏の出馬表明演説、残る30分余りを質疑に充てた。冒頭演説の多くはコロナ対策に割かれ、「第2波に備えるための東京CDC(疾病予防管理センター)創設」などをアピールしたが、2期目の政策については「別途、会見する」と詳しい説明を避けた。

演説の最後には選挙戦術にも言及し、「政党の推薦は求めることなく、都民のご推挙を得るべく戦いに挑みたい」と自民・公明両党などの支持や推薦は受けない方針を明らかにした。小池氏の再選支持を表明している自民党の二階俊博幹事長らへの肩透かしともみえたが、二階氏には事前連絡済みとした。これを受けて自民党は自主投票を決めたが、同党都連幹部は「自民党の推薦を受けないほうが有利と読んだ小池氏の戦略のしたたかさ」に苦笑する。

その後の質疑応答で「4年間の任期を全うするのか」との質問に、「これからもう一度都知事になろうかということですので、その質問はどうかな?」と笑顔ではぐらかし、「国政への転身は考えていないのか」とのダメ押し質問には「はい、現在は考えておりません」と、状況次第ともとれる微妙な言い回しで否定してみせた。

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