灘・日比谷・桐蔭校長が語るコロナ禍の受験対策 受験生の志望動向に変化が起きる可能性も

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情報分野というと理系のイメージが強いが、石原さんは、文系の生徒も分野によっては受験できるという。

「機械の構築やAIなどハード面は理系ですが、言語であるプログラミングやデータ処理などは文理ともに活躍でき、文系では経済学部や社会学部の情報系の学科で学ぶことができます」(石原さん)

一方、敬遠されそうな学部はどこか。石原さんは景気の悪化から、情報系以外の分野を学ぶ経済、経営、商、国際、観光などの学部が敬遠されるとみる。

「地方では医学部人気が根強いですが、コロナ禍で医師や看護師が激務であること、医療職のお子さんが差別を受けたことなどから、大都市圏では保護者が医学部、看護学部の受験を勧めないケースが出てくるかもしれません」(岩瀬さん)

保護者が医師という家庭では、生徒の医学部志望は変わらないという。

「一般家庭では医療関係者の厳しい職場環境を見て、医学部を敬遠する生徒も出てくるでしょう。コロナと闘う医師を見て、医学部を志望する志の高い生徒は、将来、名医になると思います。志願者が減りそうですから、ぜひ、チャレンジしてほしい」(石原さん)

狙い目の学部はどこか。石原さんは、新設の学部・学科を予備校のHPなどでチェックしてほしいと話す。

「今年はオープンキャンパスや説明会を予定どおりに実施できないため、新設の学部や学科があまり知られていません」(同)

新設では岐阜大の社会システム経営学環、学部を改組して、情報・電気・数理データサイエンス系などを学べるようになる岡山大工学部などがオススメだという。

各高校の休校期間中の取り組み

一方、受験生を抱える各高校では、休校期間中にどのような工夫、取り組みをしているだろうか。

トップ進学校の灘(兵庫)では、3月上旬に春休みの課題を配布。その後、ネット環境を整えたうえで、5月11日からネット配信による授業を開始した。6月1日から12日までは分散登校で授業を行い、15日以降の授業形態については、今後の状況をみて決定する。

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