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荷物激増の配達員たちが何とかパンクしない訳 宅配ドライバーの告白、コロナ禍の意外な恩恵

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あるドライバーは日頃、荷物を宅配ボックスにしか預けていなかった住人と初めて顔を合わせて驚いたという。

「名前だけで判断して、てっきり女性だと思っていたら男性が出てきたからビックリしました。こんなときに不謹慎だけど、こういうサプライズは楽しみの1つです」

逆に受け取る側からしても、どんなドライバーが配っていたのかを認識でき、安心したかどうかは別として、今後の受け取り方を考えられる。

宅配便withコロナ

医療従事者と同様、自粛生活を支える宅配現場の奮闘、そして疲弊する様子は、連日のようにメディアで報じられた。世間からは、称賛と励ましの声が多く聞こえたが、中には心ない非難や差別めいた声も受けたという。

とあるベテランドライバーはこんなエピソードを語ってくれた。

「荷物を渡そうとしたら、その荷物は受け取れないと拒否されました。不特定多数の人と物に接する宅配ドライバーは、物だけではなくウイルスも運んでいるからと……」

このようにウイルスを媒介するもののような言われ方をされたら、感染の危険を顧みない宅配ドライバーの活躍も浮かばれない。withコロナとは、言われもないこのようなクレームにも耐え忍ばなければならないのかと、悲しくなる。

しかし、そればかりではない。むしろ東日本大震災の『絆』の一文字を思い出すエピソードもあった。

「幼稚園くらいの子が窓から顔を出して、手を振って『ありがとう、頑張ってください』って言われたとき、正直言って涙が出た」

「配達途中に知らないおばさんから、手を握られ『頑張って』って言われてうれしかった反面、おばさん、コロナ気にしないのかなぁと心配になった」

また、配達時に指示されていたガスのメーターボックスに荷物を入れようとしたらマスクと一緒に手紙が置いてあり、このような文面が書いてあったという。

「よければ使ってください。いつもありがとうございます。アルコール消毒した手で入れました」

そのドライバーはうれしそうな様子で、それを映した写真を見せてくれた。

何でもない、ただ普通に荷物を配達している姿に感謝をしてもらい、普段から聞き慣れた言葉や行動が、こんなにもうれしいと思ったことはないと、皆口々に言った。

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【「新しい日常」による宅配コミュニケーションの変化】

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