早稲田「AO・推薦」と「一般入試」比率逆転の狙い 推薦型入試を6割まで引き上げる目標掲げる
1990年に日本初のAO入試を実施した慶大湘南藤沢キャンパス(SFC)は「AO入試のパイオニア」を自負するだけあり、多面的な評価を前面に打ち出している。高校の成績の評定平均は問わない一方、志望理由と入学後の学習計画、自己アピールを2000字という長文とA4判2枚で自由に表現させるのが特徴だ。21年度入試からは受験機会を年4回にし、定員も200人から300人へと大きく拡大する。
法学部のFIT入試は、学生と教員との良好な相性(fit)を実現しようと06年度から始まった。こちらも2000字の志望理由書や自分の魅力を表現するポートフォリオなどの提出が必須。倍率は一般入試よりも高く、高レベルの戦いとなっている。
倍率が意外にも低めな上智・公募制推薦
一方、倍率が2倍超程度と意外にも低めなのは上智の公募制推薦入試。評定平均が基準をクリアし、英検ならおおむね2級、学科によって準1級といった出願資格を満たしていればよく、同大を目指す生徒には狙い目だ。
「異文化コミュニケーション学部と経営学部への注目度が上がっている。プログラムが充実していることを受験生や高校、専門塾の先生たちがよく研究しているからではないか」。そう話すのは立教大学入学センター入試広報担当課長の和田務さん。同大は今年度、AO推薦の応募が3割以上も伸びた。AO推薦で入ってくる学生はとがった個性を持ち、英語力も高く入学後の伸びが大きいとして学内でも高評価だという。
かつて「一発芸的な入試」と異端視されたAO入試はいまや、優秀な学生を獲得するためにはなくてはならない手段となった。国公立・私立ともに難関大では今後、その工夫を競い合う構図が強まりそうだ。
(編集部・福井しほ、石臥薫子)
※AERA 2020年5月25日号より抜粋
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