立ち会い・里帰り「不可」に直面する妊婦の苦悩 コロナの影響で母親学級も中止に不安募る
4月上旬に第1子を出産した中島彩さん(仮名)は、無事里帰り出産できたものの、なんと陣痛中に東京からやってくる夫の立ち会い不可を通告された。
「最後の検診のときに、立ち会いは通常は2〜3人OKだが、1人のみになる可能性が高い。面会はマスク着用で15分以内と言われ、割と緩いなとは思っていました」
ところが、陣痛が始まってから「立ち会いは1人のみ、東京から来る夫は基本不可」「入院中の面会は立ち会った人のみ、東京を行き来する人はNG」と言われたが、もはや陣痛中のため、それどころではない。結局、東京から駆けつけた夫は実母とバトンタッチすることで、出産には立ち会えた。しかし、入院中の面会は実母のみとなった。
「運よく立ち会えたものの、当初はもっとにぎやかなお産をイメージしていました。産後の面会も実母だけで寂しかったし、病院自体も静か。出産は喜ばしいことのはずなのに、どこか粛々としていて、お祝いムードとはかけ離れた感じでした」
その後、感染が心配なため夫には会っていない
実家は北関東なので、週末に行き来も可能な距離。しかし、夫は妻の退院後1週間実家に滞在できたが、出産関係の手続きで帰京した後からは、感染が心配なため会っていない。
「確定申告や免許の更新期日は延期されましたが、出産関係の手続きは通常どおり。コロナでバタつくなか、少し猶予があればありがたかった」
さらに、帰京時期も延期するつもりだ。
「もともとは6月頭には東京に戻るつもりでしたが、予防接種を受けてから東京に戻ろうと思っています。赤ちゃんに打つロタウイルスは同じ機関で2度接種しなければいけないので。実家にいると移動はすべて車ですが、帰京後は電車やタクシーがメインになるので、感染リスクが上がりそうで……」
実家では、生活サポートも手厚く、住環境も整っているので快適だというが、夫はもちろん、義両親や妹に、新生児の貴重な時期に会わせてあげられないのが悔しく、お宮参りの時期も決められないでいる。
一方、7月に出産予定の吉永愛さん(仮名・30歳)は、徒歩で行けること、無痛分娩があること、医療体制が整っていることの3つの観点から大学病院を選んだ。
「24時間無痛分娩に対応してくれることと、立ち会い出産が、私にとってはかなり重要な要素でしたが、先日それが保証できないと言われました。無痛分娩は、今から別の病院を予約するのは厳しい。でも7月なので、完全にダメとは言われず、言い回しもかなり曖昧で……」
と、はっきりしない状況が続いている。
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