「事業仕分け」の暴走 漢方薬「保険外し」に患者や企業が抗議の声

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 ところが15年後、財務省が問題を蒸し返した。そして政府・民主党が「国民の代表」と見なした仕分け人から「保険外し」の結論が出たことで、撤回自体が困難になっている。

税金や保険料の無駄を「国民の目線」であぶり出すことは重要だ。しかし、医療など人命にかかわる問題について、不十分な情報を基に、短時間で結論を出すことは危うい。

仕分け人たちが、医療現場における漢方薬の処方の実態について、きちんとした検証を行ったとは言いがたい。仕分け作業の責任者の取りまとめコメントでは、「どの範囲を保険適用外にするかについては、今後も十分な議論が必要である」として問題を先送りにしている。

今回の騒動では、政府・民主党の姿勢の一貫性のなさも浮き彫りになった。民主党は8月の衆議院選挙の医療政策関連マニフェスト詳細版(政権公約)で、漢方薬を含む「統合医療の確立ならびに推進」を掲げた。「科学的根拠の確立」と同時に、「日本の特色ある医療を推進するため、専門的な医療従事者の養成を図るとともに、調査・研究の機関の設置を検討する」とうたっている。

漢方重視の姿勢と食い違うことから、今回の仕分け作業での結論については、「公約と異なる」(前出の芳井会長)との指摘も少なくない。

仕分け人の認識とは異なり、医療現場での漢方薬の普及は、後戻りできないところまで来ている。

医療現場では風邪や腹痛などで幅広く処方される一方、「消化器系がんの手術後のイレウス(腸閉塞)防止のうえでも、漢方薬は必要不可欠な存在になっている。また、認知症の周辺症状の緩和や、抗がん剤の副作用緩和でも、漢方薬は効果を発揮している。漢方薬は薬価が低く、医療経済的にもメリットが大きいのも特長だ」(渡辺賢治・慶應義塾大学医学部漢方医学センター長)。

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