JKだって超知りたい「大学はいくらかかるのか」 高校生から人生に必要なお金を真剣に考える

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「みんな、こんなに学費に苦労しているなんて。それに、パパの会社はコロナの影響で売り上げが落ちて夏のボーナスは相当減ったって言ってたっけ。勉強も大事だけど、それより、お金の計画を立てることのほうが先じゃない?」

この世で生きていくにはお金が必要なんだ。お金がないと進学もできないかも。なぜ、こんな大切なことをこれまで一度も考えなかったのだろう。

「お金」があれば幸せなのか?

「とにかく、お金の計画を立てなくちゃ。そのためには、これからどんなふうに生きていくのかを考えなければならない気がする……」

花実は、小学校の家庭科の授業で、ライフプランを考えたことを思い出した。

「どんな相手と結婚したいですか」という質問に、隣の席の男子が、「かせぐ女の人」と書いているのを見て、なんじゃ?と思ったけれど、今なら、それが正しいことがよくわかる。

母は、花実が中学生になったタイミングで簿記2級の資格を活かして就職した。実は、母は、家事の合間に猛勉強して2級を取った。ママは稼げる女の人になったのだ。父一人で家計を支えるよりもずっと楽だろう。お陰で、こうして私立高校に通わせてもらっているし、お小遣いも毎月1万円もらえる。時々、旅行にも連れて行ってもらえる。新型コロナで遠い昔のように思えるが、一昨年は、家族でグアムに行った。

でも、と花実は思う。お金がたくさんあれば幸せなのだろうか。もしも、うちが金持ちで、大学に通う1300万円なんてフツーに出せて、お小遣いも好きなだけ使えて、海外旅行にもバンバン行けて、部屋着は全部人気ブランドの「ジェラートピケ」で……って確かに夢みたいだけど、本当にそれは幸せといえるのだろうか。

もし、父と母がけんかばっかりしていたとしたら?  隣の席の男子も稼ぐ嫁がいいと言ってたけど、稼いでも、性格が全然合わなかったら?

きっとお金があれば幸せということではないのだろう。

「でも、きっと、ないよりはあるほうがいい。少なくとも、今の花実にとっては必要な気がする。お金がないからって進学を諦めるくらいなら、奨学金を借りてでも進学したほうがいいと思う。将来、稼げるようになるまで貸してくれるっていうんだから、借りたほうがいいに決まってる」

「そうか。誰かが言ってたけど、お金というのは人生で必要なもの、欲しいものを手に入れるための手段なんだ。そして人生の目的を叶えるためには必要なものなんだ!」

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