そうした中、好業績でも高利回り銘柄の代表格といえるのが、通信事業を展開するソフトバンクだ。3期連続増益が見込まれ、配当性向85%方針で増配を行い、割安度が増している。2月末にコロナショックで調整したとはいえ、戻りも早く、値を保っている状況だ。
連続増配は止まるものの、配当水準が依然高く、高利回りが続くのがオリックスとブリヂストン。どちらも今来期の増益が見込まれるものの、連続増配ストップで株価の戻りは鈍い。
まず4期連続営業減益となった2019年12月期に、2010年12月期から続いてきた連続増配記録を止めたブリヂストン。今2020年12月期にIFRS(国際会計基準)への移行でのれん償却費がなくなり、180億円程度営業利益がカサ上げされる。主力のタイヤが市販用中心に、新製品効果と大口径化の進展で採算が改善。国内有数のキャッシュリッチ企業なだけに、高水準の配当が続きそうだ。
またオリックスも国内の金融やリースが苦戦し、今2020年3月期に10期続いてきた増配は止まる見込み。来2021年3月期も海外買収事業や国内再生エネルギー事業など伸ばすが、訪日観光客減で関西国際空港やホテル関連で打撃。株価材料としても大きい、6月の大阪でのIR(統合型リゾート)決定待ちとなる。
逆に連続増益で連続増配ながら、配当水準が高まったことで利回りも高まっているのが、KDDIである。今2020年3月期は、個人向けに非通信事業の拡大や法人向けの伸長によって、連続増益見込み。実に18期連続増配となる。株価も2月末に52週移動平均線まで調整し、過熱感が後退したことで戻りは早い。
来期も連続営業増益のトヨタは利回り3%を意識
自動車業界で独り勝ちのトヨタ自動車も、3%を超す利回りとなっている。新型車の貢献に加え、北米の販売奨励金の抑制で、今2020年3月期は営業増益。来2021年3月期は中国が苦戦しても、北米でSUV(スポーツ多目的車)が伸びて連続営業増益となりそう。株価は円高を嫌気する展開だが、再び利回り3%水準(7333円)を意識する値動きが予想される。
新型肺炎拡大によって引き合いが膨らむ働き方改革の関連銘柄も全体相場にツレ安している。
日本ユニシスは企業のDX(デジタル変革)ニーズを享受し、ITサービスが順調に伸びている企業の1つ。上振れに次ぐ上振れで、利益率も大きく向上。増配幅も大きく、利回りは2%を上回ってきた。株価も人気化し、13週移動平均線を大きく上方乖離したが、2月末の地合い悪化で今度は52週移動平均線を割り込み、下方乖離が目立つ。同様に、足元業績好調なITサービス大手のSCSKも52週線を割り込み、割安サインが点灯する。
結果的に2月末からの地合い悪化で、本来は持ち続けたい銘柄まで手放す動きが目立った。そうした銘柄群は利回り2%台に多く隠れているのかもしれない。
100位に顔を出した信越化学工業の場合、半導体材料が底堅く最高益更新が続く。2月に株価も上場来高値をつけたばかりだった。こちらも52週線を割り込んだことで過熱感が解消している。
次ページからは、高利回りランキングTOP100を、一挙掲載。底打ち後の仕込み期を見越し、ぜひこちらも活用してほしい。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら