スペースバリューで表出した元社長との深い溝

対立の根底にあるのは第三者委員会の報告書

スペースバリューホールディングス元代表の森岡篤弘氏。第三者委員会の調査報告書に異を唱えている(記者撮影)

第三者委員会の作成した調査報告書をめぐって、東証1部上場のスペースバリューホールディングス(SVH)と前代表の対立がにわかに表面化している。

2月29日、プレハブ建築、立体駐車場を手がける日成ビルド工業とその持ち株会社であるSVHが、日成ビルドやSVHの前代表取締役・森岡篤弘氏に対し、損害賠償請求(1億9263万円)の訴えを金沢地方裁判所に起こした。

SVHが発表した3月2日付のリリースによると、2010年3月以降の森岡氏の経費精算を精査したところ、業務との関連性が認められないか、関連性が不明な経費精算が合計1億9200万円以上認められたという。

そして、「2019年10月に森岡氏に対して不明な経費精算につき支出と会社業務との関連性について説明を求めましたが、これらに対する森岡氏からの説明は何らなされませんでした」「不当な経費精算につき返納するよう書面で請求しましたが、これに対しても同人は何ら対応することはありませんでした」としている。

元代表は会社よりも先に2つの行動

前代表の森岡氏によれば、「訴状は届いていない」(3月3日時点)。一方で、2019年10月に数十ページにわたる接待・交際費の表が送られてきたことは認める。1億4000万~1億5000万円の請求書も届いたが、「約10年も前の接待・交際費について、当時の経理担当が認めたものをいまさら精査する必要はない。説明するのも変な話だ」として、弁護士と相談のうえ、回答しないことにしたのだという。

SVHが前代表の経費精算を過去にさかのぼって調べ直した理由について、3月2日のリリースで「(2019年4月に公表した)第三者委員会の調査報告書において問題とされていた」ことを挙げている。

実はこの調査報告書をめぐっては、森岡氏が先にSVHに対して2つのアクションを起こしている。

1つめは、2019年12月26日に提訴請求した株主代表訴訟だ。SVH取締役の鈴木啓介氏、菊地潤也氏、水野聡彦氏の3氏に対して、調査報告書を作成した第三者委員会に対して支払った3億2000万円を連帯してSVHに払うように求めている。

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