航空業界に取りつく、マレーシア機の謎 南シナ海で消息を絶ち、ついに10日が経過

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3月18日、航空業界では、マレーシア航空370便の「未解決の謎」をめぐって異なる説が飛び交う中、今回の問題が安全性などの見直しにつながるとの見方は少なく、業界関係者の多くは悲劇的な出来事として受け止めている。写真は同318便の同型機。クアラルンプール国際空港で17日撮影(2014年 ロイター/Edgar Su)

[サンディエゴ 18日 ロイター] -マレーシア航空370便が南シナ海で消息を絶ってから10日が経過。航空業界では「未解決の謎」をめぐって異なる説が飛び交う中、今回の問題が安全性などの見直しにつながるとの見方は少なく、業界関係者の多くは悲劇的な出来事として受け止めている。

米サンディエゴでは今週、航空機メーカーやバイヤー、リース業者などが集まる世界輸送航空機取引協会(ISTAT)の年次会合が行われた。消息不明のマレーシア航空機をめぐる新たな情報が少ないにもかかわらず、イベント開催中は同機の話題で持ち切りだった。

航空コンサルタント会社モーテン・バイヤー・アンド・アグニューのロバート・アグニュー氏は、同機と地上管制との交信手段が意図的に停止されたとの情報について、業界関係者らが深い懸念を示しているとコメント。「もしこれが計画されたテロ行為であれば、今後模倣犯が出てくる可能性はあるだろうか」と不安を口にした。

調査チームは今のところ、370便として使用されたボーイング777―200型機や民間航路に詳しい人物が、針路を変えて飛行させたとの見方を強めている。

スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)のアナリスト、フィリップ・バガリー氏は、ISTAT会合の参加者の間では、同機が別の目的地に無事に着陸したとの見方より、インド洋に墜落したとの見方が大半を占めていたと述べた。「仮に陸の上を飛行していたら、軍などのレーダーに捕捉されていたはずだ」と語った。

一方、匿名の航空コンサルタントは、アジア諸国の軍当局について、認めている以上の情報をつかんでいると主張。「域内の軍の情報機関が同機の所在を把握していないとは信じ難い。これらの国は互いにスパイ活動を行っている」と述べた。

安全性の見直しにはつながらず

同機をめぐる情報や証拠が十分ではないことから、今回の問題が航空業界の安全性や通信技術の見直しをもたらすかどうかを判断するには時期尚早との指摘もある。

米エア・リースのスティーブン・アドバーヘイジー最高経営責任者(CEO)は「(安全性や通信技術が見直される)可能性はある」とした上で、同機をめぐる状況がどう展開するか見極めるべきだとコメント。同社のJohnPlueger最高執行責任者(COO)も、今回の問題が業界慣行の抜本的な見直しにつながる可能性は低いとの見方を示した。

航空宇宙コンサルタント、ティール・グループでアナリストを務めるリチャード・アブラフィア氏は、セキュリティー面で過失が発生することは避けられないと指摘。その上で、航空システムは最も安全な交通手段だとし、「航空業界の安全性は毎年向上している」と説明した。

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