安倍「なんでもあり」政権が民主主義を破壊する

「安倍一強」のもとにひれ伏す独立行政機関

人事院は自らの組織について、「国家公務員法に基づき、人事行政に関する公正の確保及び国家公務員の利益の保護等に関する事務をつかさどる中立・第三者機関として、内閣の所轄の下に設けられた」(人事院ホームページ)と説明している。

為政者が政治的目的などのために人事を歪めたりすることをチェックすることも、人事院の重要な役割なのである。松尾局長の初期の答弁には人事院の「矜持」を感じたが、安倍首相の本会議発言を機に一変してしまったのは残念としか言いようがない。

内閣法制局は官邸の追認機関になった

一方、内閣法制局は内閣に付属する機関ではあるものの、「法律問題に関し内閣並びに内閣総理大臣及び各省大臣に対し意見を述べる」(内閣法制局ホームページ)ことが業務の1つである。

憲法解釈をはじめ、法解釈の最終的なゲートキーパーの役割を果たし、歴代首相と言えども内閣法制局を無視して好き勝手な解釈を振り回すことはできない。それゆえに為政者から嫌われることの多かった組織でもあった。

ところが周知のとおり、安倍首相は外交官出身の小松一郎氏を強引に長官に起用した。小松氏は安倍首相の意向に沿った形で憲法9条の解釈を変更し、集団的自衛権を容認する姿勢を示して実現させた。この人事がターニングポイントとなって、今や内閣法制局は独立性を弱め、首相官邸の意思決定の追認機関となってしまっている。当然のことながら今回の検察官の定年延長問題でも、中立的立場からの発言は見られない。

会計検査院の変質も見逃せない。森友問題に関して会計検査院は国有地売却に関して説明がつかないほど価格が値引きされていること、あるいは関連する公文書が改ざんされていることにいち早く気づいていた。にもかかわらず、そのことを指摘しなかった。

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