薄氷を踏むアメリカ医療保険改革法案、オバマ政権の行方を左右

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診療コスト削減が大きな課題

オバマ大統領は国民皆保険に対する人々のムード、それを反映した議会のコンセンサスづくりに期待し、細かなことには言及していない。ただ、次の3点を強調している。(1)実質的にすべての米国人が何らかの医療保険によってカバーされる、(2)医療保険コストは引き下げられる必要がある、(3)保険制度改革はコスト削減と富裕な人々への適度な増税によって賄われるようにする。

残念ながら、上下両院法案とも医師や病院による診療コストの高騰という問題については突っ込んで取り組んでいない。過去数十年、診療テスト・処置は急速に開発され、医薬、診療設備の革新も目覚しい。そうした診療テスト・処置や医薬・設備の利用はほとんど医師の裁量に任されている。それらの利用が多ければ多いほど医師の実入りも多い。医療ミスなど訴訟に対する防衛からも必要以上の診療テスト・処置をやりがちになる。

こうした診療コストの急騰によって医療保険料も高騰し、医療保険コストが企業にも個人にも大きな負担になっているのである。

結局、正しい改革は何かというと、これまでの診療テスト・処置ごとに医師に支払われシステムを個別の診療ごとに同じ医療費を支払うシステムに換えることである。つまり、医師に対する個別診療についての大まかで臨機応変な輪郭を医師に示す実施要領を確立することだ。

目下、議会で審議されている上下両院法案とも、米国の医療産業のコストを削減するには不十分というのが専門家の見方である。
(ピーター・エニス 東洋経済契約記者・在ニューヨーク =東洋経済オンライン)

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