公開「痴漢発生駅ランキング」、意外な1位は? ヤフー出身者が立ち上げた防止対策アプリ

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どうすれば悩みを打ち明けてもらえるかを考えていた頃、痴漢に遭ったら安全ピンで刺して対抗することの是非が昨年5月にネットで論争となった。

「痴漢レーダー」を開発したQCCCA(キュカ)CEOの禹さん(右)とCPOの片山さん(左)(記者撮影)

そこで禹さんたちは痴漢問題に対して「私たちがどうアプローチできるか」を考えた。そして、悩み相談をするのではなく、地図上で印を残すのはどうかという痴漢レーダーのアイデアに行き着いた。

ポチッと押すことで被害場所と被害発生時間が登録されるが、それだけではない。痴漢、つきまとい、ぶつかり、盗撮、露出といった被害状況も登録できる。これらがデータとして蓄積されれば、そのデータを使って鉄道会社や警察も対策を取りやすくなる。

昨年8月にサービスを開始。利用者数はウェブとアプリを合わせて約6万人に達した。「現在はアプリのサービス改善に力を入れており、アプリの利用者は2万人弱」(禹さん)という。

被害情報1位の駅は?

では、どんな駅(被害場所の最寄り駅)で痴漢被害が起きているのだろうか。

2月7日時点のランキング1位は東急田園都市線の駒沢大学駅。多くの路線が乗り入れる新宿駅、池袋駅を上回る。

ランキングは登録回数がそのまま反映される。「あれっ?と思う人もいるかもしれないが、利用者が本当に毎日、被害に遭っているかもしれないし、そこは検証しようがない」(片山さん)。

サービス開始当初は六本木近辺の駅がランキングの上位に入り、「ITリテラシーの高い人がたくさん登録しているのかもしれないな」と思ったこともあったという。

おそらく、登録者数が増えれば増えるほど、ビッグデータとしての精度が高まり、より実態に近づくはずだ。「登録者数100万人が目標」と、禹さんは意気込む。

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