東京メトロ社長が明かす「遅延を減らす秘策」 新技術の「無線式列車制御」で何が変わるか

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――自動運転は?

研究テーマとしては掲げている。保安面、制度面、技術面をよく研究して、方向性をこれから決めていきたい。

――鉄道事業の海外展開は?

アジアの各都市で道路交通が逼迫しており、都市鉄道への期待が高まっている。ジャカルタ、マニラ、ハノイ、ホーチミン、バンコク、ヤンゴン。これらの都市で鉄道整備、運営、メンテナンスに関する支援を行っている。ぜひ東京の経験を生かしていただければと思う。

――支援だけでなく、香港のMTRのように自ら外国で鉄道運行事業に乗り出す考えは?

ご期待ありがとうございます。研究していきます。

大型不動産投資は考えず

──JRや大手私鉄は不動産開発を積極的に進めていますが、東京メトロの戦略は。

日比谷線虎ノ門ヒルズ駅の建設現場(撮影:大澤誠)

虎ノ門ヒルズ、さらに大手町や日本橋でも地下空間で大きな開発が進んでいるが、防災性、回遊性、バリアフリーなどの改善に向けて通路を広くしたり広場を整備したり、快適な街づくりをしている。その際に不動産開発をする余地があれば取り組んでいく。

とはいえ、基本的には地下の駅空間はお客様が鉄道を利用されるためのスペース。池袋駅や表参道駅では商業施設を展開しているが、このような大きなスペースはなかなかない。

──オフィスビルやホテルは造らないのですか。

バリアフリー化に必要な土地は購入しているが、規模としては小さい。大きな土地を積極的に購入してホテルやビルを建設するといった考えは今のところない。ただ、長期的には関連事業の強化が必要だ。2019年11月に開業した渋谷スクランブルスクエアにも事業主の1社として参加しており、こうした取り組みは行っていく。

──国が約53%、都が約47%の株式を保有しています。上場の可能性は。

上場するかどうかは株主が決めること。当社としてシナリオを持っているわけではない。国と都が話し合いをしていると思う。ただ、上場によってさらによい会社になると信じており、いつでも上場できるよう、事業を磨き込み、経営のガバナンスを強化している。

大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げる。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に現在は鉄道業界の記事を積極的に執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京五輪・パラにボランティア参加。プレスチームの一員として国内外の報道対応に奔走したのは貴重な経験。

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