20~40代「性依存症に陥る人」の知られざる実情 ある公務員が盗撮を繰り返してしまった背景

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「被害者は自暴自棄となり、不特定多数と性的関係を持つことがあります。自分には価値がないという思いにさいなまれていますが、性交渉中は相手から大切にされている感覚もある。そのため性的な関係にはまり込み、依存します。このような性依存症の場合、自殺や自傷のリスクとも密接です」

合意なきセックスで繰り返される被害

性依存症に陥ってから、性暴力の被害に遭った当事者もいる。

接客業の田上真由奈さん(仮名、40代)は25歳のとき、「人と話せることは楽しいんだ」と思うようになり、親しみを感じる相手に依存し始めた。それまでは他人を信用できず、心を閉ざしていたと話す。

高校時代、吹奏楽部の活動を懸命に取り組む中で、うつ状態になった。部活の厳しさに加えて、家庭では門限がうるさく、祖母や母が成績に過度に口を出し、男女関係にも口を挟むなど「監視されている」環境。

だが、社会人になってからは少し自由を感じるように。複数の男性と性的関係を重ね、次第にセックスに依存するようになった。

「今まで甘えられなかった部分をぶつけているようでした。子どもに返ったかのようでした」(田上さん)

ただ、複数の男性と身体を重ねていくうちに、同意のないセックスを何度も経験する。田上さんにとっては性暴力だが、男性たちは理解せず、何度も被害に遭ってしまっている。

「危険とわかっていても、やっぱり性的関係を求めてしまうんです」

性依存症の人たちは周囲の理解が得にくく、孤立しやすい。その現状に沿った支援が求められている。

(取材・文/渋井哲也)

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