中外製薬、時価総額で「武田超え」寸前のわけ 血友病治療薬「ヘムライブラ」が支える好業績
首位逆転なるか――。売上高で製薬業界6位にすぎない中外製薬の時価総額が、首位の武田薬品工業に迫っている。
1月30日、中外製薬は2019年12月期の決算を発表した。売上高は前期比18%増の6861億円、営業利益は同69%増の2105億円。売上高、営業利益とも過去最高を更新した。
決算発表翌日の1月31日、中外の株価は前日比7%高の1万1265円に急騰した。その後も株価は上昇し続け、2月7日には時価総額6.8兆円に達した。製薬業界で現在首位の武田の時価総額は約7兆円。その差は約2200億円にまで肉薄している。全上場3772社の中でも12位に位置する。
冴えない武田薬品の株価
武田は2018年初に、約6兆円を投じてアイルランドの製薬大手シャイアーを買収すると発表した。5兆円近い有利子負債や減損リスクのあるのれん4兆円を抱えることが嫌気され、株価は2018年に約40%下落した。一方の中外製薬は2018年に株価が約10%上昇。2018年9月に武田を上回る時価総額首位の座に初めてついた。
武田が2019年1月にシャイアー買収を完了し、第三者割当増資による株数増などで時価総額が膨らむと、武田が再び首位の座を回復したが、その後も武田の株価は冴えない。
一方、中外の株価は2019年も2割上昇。2018年初に比べおよそ2倍の水準にある。2020年に入ってからも上昇が続き、時価総額の首位奪回をうかがっている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら