低迷する漫画業界の大問題、制作現場のワーキングプア


 1995年には600万部以上をさばいていた『週刊少年ジャンプ』(集英社)は、人気作品の連載が終わり、今や発行部数は280万部へ半減した。社団法人全国出版協会・出版科学研究所の久保雅暖(まさはる)研究員は、「『週刊少年ジャンプ』の部数減とコミック誌総部数の減少分が大体一致する」と指摘する。

漫画業界の衰退に歯止めがかからない。売上金額も販売部数も落ちている。新刊点数は増える一方、1冊当たりの部数が減る。漫画ビジネスは、雑誌が作品の生産・発表の場で、追って単行本化し稼ぐという構造だ。今、その単行本も厳しい。「単行本の総売上高はヒット作の有無により変動が大きい」と久保氏。最近の大ヒットでは、2006年に二ノ宮知子作『のだめカンタービレ』(講談社『Kiss』で01~09年掲載)がテレビドラマ化されてヒットし、単行本は3000万部売れた。

しかし現在では、「映像化の目玉が出尽くした感があり、苦戦している」と久保氏。作品自体も「大部数作品とオタク向け作品の二極化が進んでいる」と言う。

大手誌にはできない 小学館マイナー誌の挑戦

発行部数77万部の『週刊少年サンデー』、同79万部の『ビッグコミックオリジナル』というメジャー2誌を擁する小学館には、たった1万5000部の『月刊IKKI』という雑誌がある。部数的には弱小雑誌ながら、CSでテレビアニメ化されたり、コラボ駅弁まで登場した『鉄子の旅』(菊池直恵作)など、話題作を輩出している注目の雑誌だ。

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