JR東海・西日本「初の合同訓練」なぜ実施された? 阪神・淡路大震災の日に新大阪付近で実施

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新大阪駅からは、駅係員、設備保守担当者、管理部門の社員などから構成される救援チームが徒歩で駆けつけた。総勢27人で内訳はJR東海が16人、JR西日本が11人。派遣される人数はこの人数で固定されているわけでなく、状況に応じて変わるそうだ。

乗降口にはしごを架けて避難する(記者撮影)

停止からおよそ15分後、「車外の確認が取れました」という車掌の説明があり、乗客たちが乗降口に架けられたはしごを使って一人ずつ線路に降り始めた。まず、担架に乗った車いす客が、続いて白杖を持った目の不自由な乗客が下車。外国人客も降りてきた。

乗客たちは救援チームの誘導に従い、約700m離れた新大阪駅に向かって線路の隣に設けられた幅の狭い側道を歩いて行く。側道は突起物などがあり注意して歩かないとつまずいてケガをする危険もある。救援チームが風船状の照明器具が設置し、足元を照らしてくれた。数十mおきに係員が立っており、安全面に気を配っている。

東海と西日本「合同訓練」の意義

新大阪駅に着くと乗客は再びはしごを使ってホームに上り、コンコースへ避難した。これで訓練は終了。所要時間は1時間強だった。乗客が多い場合はもっと時間がかかるだろう。

はしごを使って新大阪駅ホームに上る乗客役の社員たち(記者撮影)

JR東海とJR西日本という“違う会社”が合同の訓練をする意義はどこにあるのだろうか。会社が違うと異常時の対応が違うのか。JR東海の松嵜道洋・関西支社長は、「安全確保のやり方や考え方に両者の違いはない」と言い切り、会社の違いが課題となることはないという。

むしろJR側が課題として捉えたのは、初動対応だ。異常発生時に両者が迅速に情報を共有できないと、乗客の避難誘導に混乱が生じる可能性もある。こんな観点からJR東海とJR西日本の合同訓練に至ったわけだ。

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