JR東海・西日本「初の合同訓練」なぜ実施された? 阪神・淡路大震災の日に新大阪付近で実施
また、今回は列車が停止してから車内の照明が消えたが、実際に地震が起きた際は地震防災システムが作動してまず送電が止まる。
停電によって車内の照明は消え、列車も自動的に緊急停止する。つまり実際には車内の照明が消えてから列車が止まるという順序になる。
地震防災システムは緊急地震速報に加えて遠方地震計や海底地震観測網なども活用することで、いち早く地震を検知する仕組みを講じているという。地震防災システムが適切に作動すれば、列車が減速を始めてから揺れ出すことになる。
「重大なお知らせ」外国語でも
照明が消えてからおよそ10分後、ようやく「お客様に重大なお知らせがあります」というアナウンスが聞こえてきた。
「急停車の原因は地震発生のためと判明しました。現在被害の状況の確認を行っております。私たち乗務員はお客様を安全にご誘導するための訓練を受けています。乗務員の指示に従い行動してください。車外は安全確認がとれておりませんので、絶対に車外には出ないでください」――。
地震発生を伝えるアナウンスはもう少し早く始まってもいいのではないかと思ったが、「乗務員は確認作業や指令とのやりとりに追われ、なかなか時間が取れないのです」(JR東海)。日本語に続き、英語や中国のアナウンスもスピーカーから流れてきた。また、乗客にJR社員がいたら車掌室まで来てほしいという趣旨のアナウンスもあった。乗り合わせたJR社員は乗務員のサポートをすることになっているのだ。
アナウンスが終わると、車掌が車内にやってきた。乗客の人数を確認し、けがをした乗客や体調の悪い乗客がいないか見て回る。日本語がわからず不安げな外国人客にはタブレット端末を活用しながら状況の説明をしていた。ほかの号車では、車内販売員や同乗している警備員も車掌の指示に基づき乗客への案内や、車いす客への対応を行っているという。
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