交通事故死よりも多い「ヒートショック」の恐怖 「住宅リフォーム」でできることは何か?

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また、事業者を選ぶ際にも注意点がある。断熱材を入れる工事では、きちんと施工しないと効果が出ないうえ、建物の寿命を短くする場合もあるので、断熱工事のノウハウを持った実績のある事業者を選ぶことが大切だという。

信頼できる事業者は、きちんと現地調査をして、見積もりを出す際にも工事内容を具体的に記載するので、そうした事業者を選ぶようにしたい。

減税や補助金の制度も要チェック!

さて、断熱リフォーム=省エネリフォームには、減税や補助金の優遇制度が利用できる場合がある。少しでも費用を取り戻せる可能性があるので、あらかじめ利用条件を確認して、タイミングを失して利用できなかったということのないようにしたい。

まず、窓の改修を行った省エネリフォームの場合、ローンを使った場合でも自己資金で支払った場合でも、それぞれに減税制度が設けられている。ローンを利用した場合5年間で最大62.5万円、自己資金の場合は単年で最大25万円が所得税から控除される。

また、消費税10%の優遇制度として創設された「次世代住宅ポイント」の対象にもなる。工事内容に応じて定められたポイントがあり、工事箇所ごとに加算していく仕組みで、上限は30万ポイント。

ほかに、一定の水準の省エネ性能に達するリフォームであれば、国土交通省や経済産業省などの補助金制度が利用できるのだが、2019年度分については募集が終わっている。さらに、住んでいる自治体でも独自の補助金制度を設けている。例えば東京都であれば、「既存住宅における高断熱窓導入促進事業」があり、高断熱の窓にリフォームした場合に最大50万円補助金が出る制度などもある。

こうした制度は、それぞれに条件や期限があったりするうえ、予算に達した時点で募集を終了する制度もあるので、情報を幅広く収集した人が有利になる。「住宅リフォーム推進協議会」のサイトのリフォームの減税制度や補助金制度、地方公共団体における住宅リフォーム支援検索サイトなどを活用するとよいだろう。

ヒートショックは、このように、住まいの工夫で危険度を下げることができる。命に関わることなので、効果的なヒートショック予防策をぜひ検討してほしい。

山本 久美子 住宅ジャーナリスト

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やまもと くみこ / Kumiko Yamamoto

早稲田大学卒業。リクルートにて、「週刊住宅情報」「都心に住む」などの副編集長を歴任。現在は、住宅メディアへの執筆やセミナーなどの講演にて活躍中。「SUUMOジャーナル」「All About(最新住宅キーワードガイド)」などのサイトで連載記事を執筆。宅地建物取引士、マンション管理士、ファイナンシャルプランナーの資格を有す。

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