45人殺傷「植松被告」に見る大量殺人犯の共通点 1月8日初公判、障害者19人殺害犯は何を語るか
この”手紙”を書くという行為についていえば、20年前の池袋通り魔事件と共通する。
1999年9月8日、東京・池袋駅東口の繁華街、東急ハンズの前に、右手に包丁、左手に金槌を持ったひとりの男が立ち塞がると、「むかついた。ぶっ殺す」と言葉を吐いて次々に通行人を襲い、当時66歳と29歳の女性が死亡、6人に重軽傷を負わせた事件だ。
この事件の造田博死刑囚も、犯行に至る前に、最高裁、衆議院、外務省などに、こんな文面の手紙を送っていた。
手紙に見られる強烈な自己顕示欲
植松被告や造田死刑囚の手紙に見られるのは、強烈な自己顕示欲だ。まずは施政者、権力者に寄り添い、自分以外にこの世から排除されるべき存在とその迫害を肯定する主張で、相手に自己の存在を認めてもらおうとしている。
このような共通点をあらためて分析すると、以下のようになる。
②自分は悪くない、正しい、周りが間違っている、という”他責的傾向”が強い。
③孤立。
造田死刑囚の場合は、彼が高校生の頃に両親が多額の借金を抱えたまま失踪。高校も中退し、職を転々としながら不遇の不満と孤立を高めていく。
植松被告も「障害者は周りの人を不幸にする。いない方がいい」などと語ったところ職場の上司から「ナチスの思想と同じだ」と責められ、退職し、そのまま精神保健福祉法に基づいて措置入院させられる。社会的にも、心理的にも孤立している。
近いところでいえば、2019年5月の川崎市登戸通り魔事件も、”ひきこもり”という孤立が背景にある。
その一方で、
⑤犯行を肯定する独善的な論理や大義が加わる。
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