今年の鉄道業界、注目すべきトピックはこれだ 新車が続々登場、「高輪ゲートウェイ」開業も

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秋にはJR九州が787系を改造した観光列車「36ぷらす3」を投入する。デザインするのはJR九州の一連の列車デザインでおなじみの水戸岡鋭治氏。外観と内装のイメージの一部は公表されているが、実物が乗客にどのような驚きを与えるか、今から楽しみだ。

線路と道路の両方を走れるユニークな車両、阿佐海岸鉄道のDMVは2020年度に性能試験が行われる。世界初となる営業運転は2020年度中とされている。はたして年内に実現するか。

広々とした高輪ゲートウェイ駅の内部(撮影:大澤誠)

新駅では3月14日にJR東日本の「高輪ゲートウェイ」が営業を開始する。1971年の西日暮里駅開業以来、およそ50年ぶりで、山手線30番目の駅となる。駅舎のデザインは新国立競技場を手がけた隈研吾氏が担当。白い屋根の膜材や外壁のガラスは照明電力量を削減する狙いがある。

構内はほかの駅に先駆けてAIを活用した案内ロボットのほか、警備や清掃、広告を行うロボットも導入。無人決済コンビニも開設され、未来感あふれる駅になりそうだ。五輪開催中は、駅前の広場で競技のライブ中継が行われる予定で、盛り上がりが期待できるが、本格的な「街開き」は2024年ごろとなる。

6月6日には東京メトロ日比谷線の「虎ノ門ヒルズ」駅が開業する。地下歩行者通路で周辺再開発ビルやバスターミナルに接続するとともに、銀座線虎ノ門駅との乗り換えも可能だ。

常磐線が全線で運転再開

在来線では2011年3月の東日本大震災と東京電力福島第1原発事故で不通となっていた常磐線の富岡―浪江間が3月で運転再開、ようやく全線での運転再開となるのは喜ばしい。九州では2016年4月の熊本地震で被災した豊肥本線・肥後大津─阿蘇間が2020年度中に運転を再開する見通しだ。

一方、札沼線・北海道医療大学─新十津川間が、5月で廃止になる。ダイヤ改正時期の3月ではなく5月なのは、大型連休の集客を見込んでいるからだろう。日高線・鵡川─様似間も地元自治体の多くが廃止を容認しており、近い将来の廃線は避けられない。

2017年7月の九州北部豪雨で被災した日田彦山線・添田─日田間は復旧方針が決まらないままだ。近年では、地震や台風で被災したインフラの復旧費用が捻出できず、廃線に追い込まれる例が多い。巨大な自然災害が増えている昨今、ローカル線に与える影響が気がかりだ。

次ページ2020年代、各地の新幹線新線の動きは?
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