アンタッチャブル復活に人々が超感動した理由

「いやいやいや、まだ終われませんから」

この復活劇が多くの人々に感動を与えた理由は、大きく分けて3つある。1つは、サプライズを仕掛けられた柴田の反応が絶妙だったということだ。

山崎が現れて、柴田はその場に倒れ込んだ。それから起き上がると「バカ、ダメだってお前!」などと言いながら落ち着かない様子でスタジオ中を歩き回った。その後、やや冷静になった柴田は意を決したように「よっしゃ!」と叫び、着ていたジャケットを脱ぎ捨てた。

そして山崎に向かって「ありがとうございます!」と深く頭を下げた。このお辞儀1つに2人の間に流れた時間の長さ、アンタッチャブルというコンビが失ったものの大きさが感じられた。

柴田は、自分が引き起こしたトラブルのせいでコンビの活動が続けられなくなったことに、ずっと責任を感じていたのだろう。山崎がコンビとしての活動を再開する気にならなければ、絶対に復活はできないという状況だった。山崎は柴田の前に姿を現し、コンビ復活の意志を示した。そこに柴田は精いっぱいの感謝を示したのだ。

精いっぱいの感謝を示した柴田(Instagram:https://www.instagram.com/p/B5fAZCbnQdx/

ただ、いざ漫才が始まれば、2人はただの漫才師として対等な立場になる。山崎がボケると柴田は容赦なく彼の肩をたたき、頭をはたく。10年の空白を経て、2人は再び漫才師として人々の前に帰ってきた。

ブランクがいっさい感じられない漫才

2つ目の理由は、山崎と柴田がいずれも実力が落ちていないことをはっきり示したからだ。長年コンビとしての活動をしていなかったり、漫才を演じていなかったりすると、どうしても腕が落ちてしまい、勘を取り戻すのに時間がかかってしまう。

だが、アンタッチャブルの2人にはブランクがいっさい感じられなかった。山崎のボケの勢いも、柴田のツッコミの切れ味もほぼ昔のままだった。彼らはコンビとして活動していない間も、それぞれがテレビに出て、バラエティータレントとして活躍していた。だからこそ芸人としての筋肉が衰えることなく、復活の時を迎えることができたのだろう。

この日に彼らが演じていた「ファーストフード」のネタは、2003年の「M-1グランプリ」でも披露していた代表作だ。ただ、基本的なネタの流れはそのままでも、山崎が繰り出す一つひとつのボケはほとんどがアドリブで構成されている。それに対して的確にツッコミをいれられるのは柴田しかいない。圧倒的なアドリブ対応力を誇る2人だからこそ、そんな人間離れした当意即妙の芸を見せることができたのだ。

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