安倍1強に広がる動揺、「逃げ恥作戦」の成否

年明け政局の焦点は「解散」にいつ踏み切るか

第200臨時国会が閉幕し、記者会見に臨む安倍晋三首相(12月9日、写真:ロイター/アフロ)

政治の劣化と国民の政治不信ばかりが目立った臨時国会が12月9日、会期延長もなく閉幕した。

主要2閣僚の連続辞任や「桜を見る会」の私物化疑惑で、安倍晋三首相の率いる1強政権の動揺が際立つ一方、多弱野党の戦闘力不足もあって、国会での与野党攻防は「なんとか引き分け」(自民国対)に終わった格好だ。

首相は国会閉幕を受けた9日夜の記者会見で、憲法改正への変わらぬ決意を示し、早期解散の可能性を示唆するなど、年明け以降の政権運営にも強気を装った。しかし、野党などの政権攻撃へのいら立ちと焦りの表情は隠せず、国会攻防を乗り切った高揚感もなかった。首相自身が種をまいた“桜疑惑”は今後も炎上が続く可能性が大きく、国会閉幕も含めた安倍政権の一連の“逃げ恥作戦”も成否はなお微妙だ。

国会を閉じれば国民は疑惑を忘れてくれる

第200回という歴史的節目でもあった臨時国会は、67日間という当初会期を延長せずに閉幕した。立憲民主など主要野党は、安倍首相への追及を続けるため、異例の40日間の会期延長を要求したが、ほとんどの法案が成立したことを理由に与党は延長に応じなかった。「国会を閉じれば、年末年始で国民も疑惑を忘れてくれる」(自民国対)との思惑からだ。

一方、日米新貿易協定など重要課題での政策論争を事実上放棄し、桜疑惑の追及を優先した主要野党は、国会の定番だった会期末の内閣不信任案提出を見送った。「否決されて疑惑追及に一定の区切りがつくのは得策ではない」との理由だ。ただ、首相サイドが流した失地回復のための桜解散説におびえた側面もあり、会期末の与野党攻防は勝負を持ち越した。

恒例の国会閉幕時の首相記者会見は、NHKの中継予定に合わせて9日午後6時から始まり、安倍首相は通常よりやや長い約33分間、質疑に応じた。首相は約13分間にわたった冒頭発言で臨時国会を振り返り、主要野党が反対する中で衆参とも短時間の審議で承認された日米新貿易協定について、「まさに国益にかなう結果が得られた」と自画自賛してみせた。

さらに、農産物輸出促進法や生産性革命を加速するための改正会社法の成立などを成果として強調。年明け以降も「つねにチャレンジャーの気持ちを忘れずに、国内外の課題に全力で取り組んでいく」と胸を張り、2閣僚辞任や桜を見る会の私物化疑惑などへの言及は避けた。

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