「史上最長政権」でも首相の表情が晴れない理由 「桜を見る会」疑惑で浮上する「桜解散」説
こうした動きに対し、安倍首相は18日、「国会から求められれば、説明責任を果たすのは当然だ」としながらも「国会対応は自民党にすべてお任せしている」と返答。同日夕、森山裕自民党国対委員長は「所管する内閣委員会で議論すべきだ。参考人招致もあまり前例がない」などとして野党要求を事実上拒否した。
今回の安倍首相らの対応について、与党内には「役に立つはずだった早期幕引き策には、誤算が生じている」(自民幹部)との不安が広がる。
問題発覚後の各メデイアが実施した世論調査でも、「桜を見る会」での首相の説明に「納得できない」が7割近くに達し、内閣支持率は1~6ポイント低下、不支持率も数ポイント上昇した。首相周辺も「こんな状態が続けば、年末に向けてさらに支持率が低下する」と焦りの色を隠さない。
国会審議は与党の防戦一方に
市民団体は18日、桜を見る会について公選法違反などの疑いで安倍首相を東京地検に告発する方針を決定。その一方で、首相の地元・下関市の前田晋太郎市長は18日、「(桜を見る会は)70歳、80歳のおじいちゃん、おばあちゃんたちがうれしそうに新宿御苑に向かう。ものすごく地元に勇気を与えてくれる会と思っている」と擁護した。同市長は安倍首相の元秘書で、政界では「身内が地元有権者の接待を認めた格好で、ひいきの引き倒しだ」(自民幹部)との声も出る。
鳩山由紀夫元首相は18日夜、自身のツイッターで人気女優の沢尻エリカ容疑者が逮捕されたことに絡めて、「政府のスキャンダルを覆い隠すのが目的」と投稿。さらに、「私も主催したが、前年(麻生太郎内閣)より招待客を減らしている。安倍首相は私物化しすぎているのは明白である」と書き込むなど場外乱闘も始まった。
こうした政局混乱を受け、憲法改正実現に向けて今臨時国会中の成立が期待されていた国民投票法改正案の衆院憲法審査会での審議も停滞。自民党の二階俊博幹事長は18日、「できることから順番にやればいい。別に焦る必要はない」と述べ、今国会成立にこだわらない考えを示すなど、国会運営でも与党が防戦一方となっている。
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