指原莉乃も嫌う「髪をなでてくる男」の法的問題 「不必要な身体への接触」はトラブルの元
そして、一般的には、意に反する身体的接触によって、労働者が強い精神的苦痛を被る場合には、身体接触が1回だけであっても、就業環境が害されていると判断される可能性があります。
他方、セクハラの内容がそこまで強度のものではない場合、行為の継続性または繰り返しが判断の要件となりますが、『明確に抗議しているにもかかわらず放置された状態』または『心身に重大な影響を受けていることが明らかな場合』には、就業環境が害されていると判断されるでしょう。
なお、性的な言動や行為に対してどう感じるかは男女間で差異があるため、被害を受けた労働者が女性である場合には『平均的な女性労働者の感じ方』を基準とすることが適切だと考えられています」
明確に抗議されたのに繰り返すと懲戒処分の可能性あり
もし男性上司が女性部下の機嫌を取ろうとしたり、謝罪しようとしたりして、髪を撫でた場合、就業環境を害する行為と言えるのか。
「女性部下の髪を撫でることについて、『平均的な女性労働者の感じ方』を基準に判断した場合、1回で強い精神的苦痛を被るほどの身体的接触であるとまでは言い難いと思われます。
ただ、女性部下から明確に抗議されたにもかかわらず繰り返したような場合には、懲戒処分を受ける可能性が出てくると言えるでしょう。
職場における不必要な身体への接触はトラブルの元です。セクハラは男女の認識の違いにより発生している面があることを十分理解した上で、気を付けて対応する必要があります」