ユニゾHD、米ブラックストーンがTOBを実施へ のらり回答かわすユニゾにしびれ切らし決断
アメリカの投資ファンド、ブラックストーン・グループは今日11月18日、不動産会社ユニゾホールディングスに対するTOB(株式公開買い付け)に踏み切る方針を固めたことが東洋経済の取材で分かった。
買付価格は、これまでブラックストーンが買収提案をした際に提示していた1株5000円程度とみられる。今日、夕方にも発表する。
らちが明かないと判断
ユニゾをめぐっては、事態が二転三転してきた。
今年7月、旅行大手のエイチ・アイ・エスによって表明された1株3100円のTOBをユニゾ側が拒否。その際“ホワイトナイト(白馬の騎士)”として登場したアメリカのフォートレス・インベストメント・グループの1株4000円のTOBについても、ユニゾは9月下旬、態度を「賛同」から「留保」へと豹変させた。フォートレスによるTOBは、6度の条件変更を経て継続中だが(現在の買い取り価格は1株4100円)、膠着状態が続いている。
実は、ユニゾはホワイトナイト探しに国内外のファンド16社に声を掛けていた。その中にブラックストーンも含まれており、ブラックストーンは1株5000円での買収を提案していたが、ユニゾは拒否しフォートレスを選択していた。
ところがユニゾが態度を豹変させた後、改めてブラックストーンがTOBの意向を表明すると、これに賛同する形で世界でも著名な「物言う株主」であるアメリカのエリオット・マネジメントが書簡を公表、ブラックストーンからの提案を真摯に検討するように求めた。そのため、ユニゾはブラックストーンとの協議を継続していた。
しかしユニゾは、会社の解体を禁止する旨の規定を盛り込めといったり、投資回収時(いわゆる出口)の方法や、時期の決定に関して事前に合意しろといったりして、「M&Aの世界では常識外れもいいところ」(ファンド関係者)の主張を繰り返し、「のらりくらりと回答を交わしてきた」(同)。
これに対して、ブラックストーンも2度に渡って回答期限を延期して待ったが、らちが明かないと判断、この程、TOBに踏み切る意思を固めたもようだ。
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