テレビ局の動画ネット配信、収益化への高い壁

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日本のTV局と正反対 米国は無料で人気化

むしろ海外では、自社番組を無料で配信するという日本とは逆の動きで効果をあげている。

米国で人気沸騰しているのが、大手テレビ局を傘下に持つニューズ・コーポレーションとNBCユニバーサルが2年前に共同設立した動画サイト「Hulu(フル)」。今年4月にはウォルト・ディズニーも出資した。ユーチューブに対抗するためのサービスで、テレビの放送した番組のほとんどを無料で視聴できるうえ、ドラマやアニメ、映画などラインナップは豊富だ。

収入源は番組内に流れるCM。英調査会社スクリーンダイジェストの予測によれば、今年のフルの収入は1億7500万ドルに上るという。米国での利用者数はまだユーチューブの10分の1程度だが、収益ではしのぐとの見方もある。

ただし日本で同様の展開をするのは容易ではない。ネット広告の市場規模は米国の3分の1で、動画広告の規模も小さい。しかも日本では米国のようなスポット広告主体でなく、番組自体にスポンサーがつく。そのため、ネット配信する際にはスポンサーへ伺いを立てる必要があり、交渉に手間がかかる。

となれば、有料でどうビジネスを拡大させるか。大和証券SMBCの長谷部潤シニアアナリストは「コンテンツの拡充に加え、放送やネット、通販、イベントなどメディアを緻密に連動させて、会社全体での収益最大化を図ることが重要」と語る。テレビ広告の深刻な減少が止まらない中、配信事業でいかなる収益シナリオを描くのか。早急なビジネスモデル構築が求められる。

(中島順一郎 撮影:梅谷秀司 =週刊東洋経済)

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