ホンダ「フリード」顔つきが少し変化した意味 一部改良し、SUVテイストを加えたグレードも

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マイナーチェンジの内容は、主に外観の造形と安全機能の充実である。

初代から、静粛性など乗り心地の面で大きく改良がなされた現行の2代目フリードは、外観の造形においても、初代でやや薄っぺらに見えたのが、抑揚のある豊かな造形に替わっている。

そしてマイナーチェンジでは、顔つきとなるラジエターグリル周りの見栄えが変わった。これまで、ホンダ車に共通の顔つきであった透明感のある横長の樹脂部分にホンダのHマークを取り付けた表情から、車体色がボンネットフードから前へ連なる意匠に様子をまったく替えた。

これは、次世代のホンダ車の顔の前触れではないかと想像することができる。それほど、フリードがホンダにとって重要な車種であることの証しであるかもしれない。

安全装備を標準搭載

また、SUV(スポーツ多目的車)的な雰囲気を持たせた、クロスオーバーの顔つきとなるクロスターと呼ばれる車種が追加された。本格的なSUVとまではいわないが、フォルクスワーゲンのクロス・ポロのように、郊外で休暇を楽しむうれしさを表現したような外観であり、非日常を印象づけるところに親しみを覚える人もあるだろう。

新グレード「CROSSTAR(クロスター)」の後ろ姿(写真:ホンダ)

そして、ホンダの運転支援機能であるホンダセンシングを、すべての車種に標準装備し、新たに後方誤発進抑制機能が追加されている。

ホンダは、先に発売したN-WGNから、ホンダセンシングの機能をより進化させている。また、すべての車種への標準装備も始めた。これは、スウェーデンのボルボが、日本で販売する車種すべてにおいて車種やグレードの違いを問わず同様の安全装備を標準装備する動きに通じる。

軽自動車やコンパクトカーでは、まだ装備に優劣があったり、標準装備ではない車種が世の中にはあったりするが、高齢者や初心者などの交通事故が多い情報が伝わることで、消費者の安全に対する近年の関心は高く、そうした社会の要請にいち早く取り組んだホンダの姿勢を読み取ることができる。

最近はホンダ車の質の向上が、走行性能や乗り心地から安全装備に至るまで、急速に高まっているのを実感する。マイナーチェンジ後のフリードにまだ試乗をしていないが、そうしたホンダ車の魅力向上を期待させる1台ではないだろうか。

御堀 直嗣 モータージャーナリスト

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みほり なおつぐ / Naotsugu Mihori

1955年、東京都生まれ。玉川大学工学部卒業。大学卒業後はレースでも活躍し、その後フリーのモータージャーナリストに。現在、日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員を務める。日本EVクラブ副代表としてEVや環境・エネルギー分野に詳しい。趣味は、読書と、週1回の乗馬。

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