東京駅ナカも始めた「食品ロス救済」の抜本改革

DEAN & DELUCAも加盟する「TABETE」って何だ

東京駅構内にある店舗は日に1200~1300人、8月のハイシーズンでは1500人以上が訪れる超繁忙店だ。観光、帰省、通勤などの客が手土産や自宅用に食料品を買っていくことが多い。とくに店内で焼いているベーカリーは、ボリューム感が人気の理由。TABETEでは通常の値段より300~400円程度安く購入できる。出品後30分以内にマッチングが成立することが多いそうだ。

DEAN & DELUCA広報の袴田美菜氏(筆者撮影)

「以前からコークッキングさんにはお話をいただいていました。ブランドとして社会問題に取り組みたいという思いはあります。ただ、オペレーションをマンパワーに頼っているため、手順が煩雑になるとリスクが高い。このたび鉄道会館さんからお声がけをいただいたのを機に、1店舗だけで試験運用をしたいと思ったのが、導入の理由です。一番忙しい店舗でうまく行けば、他の店への展開もスムーズなのではと」(袴田氏)

品数は多くないので売り上げなどの数字には結び付かないが、社会的な反響が大きいのに驚いたという。TABETE導入のニュースリリースへのPVは普段の10倍に跳ね上がり、SNSで好意的なコメントが多く寄せられた。

レスキューしてきた食品は概算で1万食以上

TABETEがうたい文句とする「店・ユーザー・地球環境の『三方よし』」のとおり、ブランドイメージアップの効果は高いようだ。その点で大切なのが、社会的な意義がある行為という視点。運営のコークッキングも、「『安く食べられる』という売り方ではなく、『困っているお店を助ける』というストーリーで販売してくださいと各店舗にお願いしています」(コークッキング代表取締役の川越一磨氏)と話している。

TABETEを運営するコークッキング代表取締役の川越一磨氏。和食料理店での料理人修行や、飲食チェーン運営の経歴をもつ(筆者撮影)

同社にTABETEの1年半の活動の成果を聞くと、レスキューしてきた食品は概算で1万食以上に上るという。会員のボリュームゾーンは20代後半から40代後半で、68%が女性だ。「毎月コンスタントに数千人は増えている」(川越氏)ものの、継続的な運営のためには店舗を開拓するとともに、ユーザーの裾野を広げて行くことが課題だ。

「鉄道会館さんは立地と、ビッグネームのショップが多く入居しているところから、ぜひご協力いただきたいと思っていました。例えばDEAN & DELUCAさんは、立地と環境への取り組みなどにも感度が高いブランドというイメージがあり、取り組みを広く知ってもらうきっかけになります。

また、JRさんとお話させていただく中でも、フードロスへの関心の高さを感じています。今回のプロジェクトが成功すれば、他のターミナル駅にも横展開していけるのではと期待しています」(川越氏)

次ページ今後さらにグランスタ・グランスタ丸の内の店舗に…
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